ジュリエッタに何があったのか?
お付き合いしていたロレンソと一緒に暮らすためポルトガルへ越す直前、街中で娘アンティアの友人だったベアと再会。
ベアからアンティアと会った事を聞いたジュリエッタはロレンソに別れを告げ、マドリードに残る事にする。
何の詳しい説明もないまま話が始まり、ジュリエッタの過去が描かれていくあたりはアルモドバルらしい演出。
映像の美しさは勿論のこと、登場人物の魅力もあってグイグイ気持ちを引っ張られました。
ジュリエッタの動揺から並々ならぬ事が過去に起こったという事を感じるオープニングシークエンスからもう心を奪われちゃう。
娘との関係に何があったのか?
ジュリエッタの波瀾万丈な人生を見せられるんだろうなという覚悟は出来ていたけど、娘との関係以上に数奇な運命を感じるエピソードが満載で思っていた以上にヘビー。
因果応報というべきなのか親に対してした行為が子供にも同じ事をされてしまうという皮肉な展開。
それが何世代にも渡って連鎖している怖さと苦しさを結末の余韻としてモロに食らっちまったわ。
みんな悪いことはしてないのに本音を言えず逃げてしまった結果がこうなってしまったんだけど「和解」を妄想できる結末にジュリエッタも過去の呪縛から解き放たれ、救われてほしいなぁと願うばかりです。
短い作品ながら見応えある人間ドラマでした。