良かった〜〜。サバイバルスリラーらしい謎めいた感じとドキドキ感がありつつ、全編にわたって現代アートの世界を彷徨うような美しさがある。
秘密任務から瀕死で帰ってきた夫の後を追い、レナはカラフルなヴェールで覆われた謎の領域に足を踏み入れるのだが…。
敵の目的もわからず、ただ自分たちを模倣し増殖するというのも、細胞の仕組みに通じるものがあって良いよね。
「バトルシップに乗って地球を侵略しにきた爬虫類エイリアン軍隊」みたいなのよりよっぽど本物っぽさというか、実際に宇宙から細胞とかウイルスだけ地球に飛んでくる場合、こういう展開があってもおかしくないよなーという変なリアリティがある。
ラストシーンも、レナが本当に以前と同じままのレナなのか分からず(というか違うのではないか)、インセプションのような含みがあって良い。
純SF小説をそのまま映像にすることに成功したような渋さと美しさがありながら、映画らしいハラハラドキドキ感もある出来のいい映画。
