IT坊や

アナイアレイション -全滅領域-のIT坊やのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

NetflixオリジナルSF。
SFアクションかと思って観ましたが、どちらかというと哲学的な作風でした。

この映画の魅力は、なんと言っても未知の領域「シマー」の美しさと残酷さだと思います!プリズムや花々はとても美しいけれど、どこか狂気じみた雰囲気を醸し出していたし、ワニや熊といった変異動物の生態も恐ろしい。
そして何より、1番の恐怖は自分自身も変異をし続けるということ。ただその場にいるだけで記憶が混濁し、自分でなくなっていく。これ程恐ろしい設定も中々ないと思います。

ラスト近くの「灯台」は、これらの恐怖に加えて、言葉では形容しがたい未知の存在との邂逅の恐怖も描かれている。この世界観はまさに地獄だと思ったし、「全滅領域」というタイトルは中々上手いなと感心しました。

ただ、「シマー」の遺伝子反射の設定は複雑だと感じましたし、未知の存在の描写がこれまた難解。「何やってるの?」感がかなり強いので、この辺りで評価が分かれる作品だと思います。
僕も置いてけぼりを食らった感はありますが、未知の存在とは僕たちの想像を遥かに超えたものだろうし、解釈しきれないのは当たり前かもしれません。この辺りは、「考えるな、感じろ」で良いのかも(「2001年宇宙の旅」に近いかもしれませんね)。

手放しで傑作だとは言えませんが、随所に描かれた自己破壊のテーマも面白く、割と好きでした!
IT坊や

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