何故フィンセントは生涯を通して不幸だったのか、何故生前に全く売れなかったのか(モネにも絶賛されたのに!)、何より何故テオは兄の才能を信じることができたのか。
映画を観ても結局分からなかった。
ただ一つ、フィンセントとテオは「二つの心、一つの精神」を持つ兄弟だった。
何故この二人が兄弟になったんだろう。彼らのようなあり方を魂の伴侶、オレンジの片割れと呼ぶのでは…と思わずにいられなかった。それが偶然にも兄弟だっただけで。
自分の耳を娼婦に手渡したフィンセントがその後、ベッドでひとり泣く場面が忘れられない。
「フィンセントはもっと愛されるべきだった」
「哀れなフィンセントは多くを感じすぎて不可能を望んだんだ」