今年最初の映画にふさわしい作品。上映最終日に滑り込み、映画館で観てほんとうに良かったと思う一本だった。
一つの感動は油絵のすごさ、膨大な絵で作る映像だからアニメーションのようにも思えるけど、実写かと錯覚に陥るほどにリアル。最初の10〜15分くらいはそれに気を取られて話を全然聞いていなかった。
ハッとしてストーリーに意識を戻す。
アルマンと街のあらゆる人との対話、矛盾の嵐で全員が怪しく映る。得体の知れない闇を感じる。そしてたどり着くゴッホの死の真相がそんなに深いものだと知り(その解釈は人により異なると思うが)、酷く悲しくなり、切なくなくなった。
この映画がただの実写で作られていたら、ここまで深く心に刺さらなかったかもしれない。ゴッホの絵のタッチでこれを映像化したことで、ものすごく伝わるものがあった。そして今ゴッホについてもっと知りたくなっている。
絵の作業には日本人も参加しているとのこと、素晴らしいです。必ずまた観ます。