一コマたりとも同じコマがないということの尊さをこんなに感じさせてくれる作品があるのか
絵が凄いとかそういうことよりも、何より、兎に角、話がすこぶる面白い。
ゴッホの死の謎。自殺?他殺?とミステリーは進む。主人公がゴッホと深い関係とも言い切れない微妙な立ち位置だからか感情移入し易い。小さな町の噂が噂を呼ぶ閉塞感。誰一人として主観的な話しかしてくれないからこそ次第にハードボイルドな展開になっていく。カフカみたい。
「偉大な画家になりたかった」と言い残してこの世を去ったゴッホ
私たちは自分たちの絵によってでしか自らの価値を示すことができないと語ったゴッホ
そんな彼へ送る、125人の油絵画家による動く鎮魂画。ゴッホを語るのにこれ以上のリスペクトはないし、アニメーションの本当の意味を実現する作品なんだと思う。
ゴッホの手紙がこんなに感動的だとは思わなんだ。久しぶりにパンフを買った。
制作過程もすこぶる面白い。まず実写映画として俳優に演じてもらい、その映像を画家たちが絵にしていったのだとか。あり得ない。
一秒に12枚の絵らしい。コマと言っちゃあ失礼なのか。絵なのか。
やばい、今日、おれ、興奮して、寝れない