このレビューはネタバレを含みます
ノーラン版風立ちぬ。
映画の強度が高すぎる。
もうノーラン作品のこれまでが全てこのための習作かと思った。キュビズム的に切り貼りされていく時代と場所と、スクリーンに映る全て。これほど編集賞に値する映画あるのかとさえ思う。
ビー玉が時限爆弾なのはもちろんだけど、人類の叡智が溜まっていく意味も含めてこれ以上残酷なものはない。
本当にこの作品のどこに日本公開を妨げるものがあったのか。戦後80年を迎えるようとする今、世界で爆撃が絶えない今、もし嘆くことがあるとすれば、この映画が今必要だと思えてしまうことだけだろう。