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ジオストームのこのレビュー・感想・評価

ジオストーム(2017年製作の映画)
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記録

2019年。災害史に残るような規模の自然災害が多数発生した後、18の国が共同でダッチボーイという愛称の防衛システムを構築した。これは国際気象宇宙ステーション(ICSS)を中心に気象をコントロールするための人工衛星を張り巡らせるというものであった。システムの総責任者であるジェイク・ローソンは、国際色豊かなスタッフ陣を総動員して地球の監視を行っていた。そんなある日、ジェイクはアメリカ合衆国上院の査問会に呼び出されることとなった。ダッチボーイの管理者としての資質に欠けるのではないかという疑念を向けられたジェイクは激怒した。あろうことか、ジェイクは査問会の議長を務めるトーマス・クロス(バージニア州知事)を罵倒してしまった。査問会のメンバーの不興を買ったため、ジェイクは責任者の地位をおろされ、その後任には弟のマックスが起用された。

2022年。アフガニスタンで一つの村が村人ごと凍り付いてしまうという事態が発生した。国連の調査隊が現地に派遣されたが、原因の特定には至れなかった。事態を重く見たアンドリュー・パルマ(アメリカ合衆国大統領)は内閣の緊急会合を開催した。そのメンバーにはマックスの姿もあった。会合で、アフガニスタンでの一件の原因は気象コントロール衛星の不具合によるものだと説明された。現在、ICSSを管理しているのは合衆国であったため、事件の詳細が明るみになれば諸外国から責任を追及されるのは火を見るよりも明らかであった。そこで、パルマはICSSの管理権がアメリカから国連に移る2週間後まで詳細を隠蔽することを決断した。これを聞いたマックスは憤慨し「できるだけ早く過失を認めて不具合の修正を行うべきだ。手遅れになったらどうするのか。」と主張した。マックスの言うことは尤もであったため、パルマはICSSに追加の人員を一人だけ送ることにした。デッコム国務長官の薦めもあって、マックスはジェイクをICSSへ連れて行くことになった。

職を失ったジェイクは妻と離婚し、自宅も手放さざるを得ない状態に陥っていた。フロリダ州で怠惰な日々を送っていたジェイクはマックスから復職の誘いを受けるが、弟との確執·ジオストームは完璧だ!という思いから1度は断る·····だが、かつての情熱が自分にまだ残っていることを確信したため、ICSSに戻ることを決めた。その頃、中国香港でも異常な気温上昇が発生し、それが原因で発生した火災によって街が大混乱に陥っていた。

ICSSに到着したジェイクは、ステーションの司令官を務めるウーテ・ファスベンダーに出迎えられ、スタッフたちに紹介されることとなった。早速、ジェイクたちが人工衛星の不具合について調べていると、衛星の管理システム全体に誤作動が発生した。管理システムがだめになった上にデータが全て失われてしまった以上、ダッチボーイを修理するのは不可能な状況になってしまった。その頃、マックスは香港で任務に当たっていたチェンから異常を報告されていた。香港の気象を管理する衛星にアクセスできなくなったのだという。また、チェンは「このまま衛星の誤作動が続くようなら、世界は地球嵐(ジオストーム)とでも言うべき現象に襲われるでしょう。全世界で自然災害が頻発し、何千万もの人命が失われることになります。」とマックスに語った。「総責任者の自分ならアクセスできるかもしれない」という一縷の望みに縋ったマックスだったが、やはりアクセスすることはできなかった。マックスはサイバーセキュリティ担当者である友人のデイナの協力を得て何とか衛星にアクセスしようとしたが、どういうわけだか自分のアクセス権がブロックされていることが判明した。その頃、香港では大停電が発生し、混乱を押さえ込むために軍隊が出動するに至っていた。「香港にいたのでは何もできないどころか、自分の命も危ない」と考えたチェンはアメリカへ行くことを決めた。

ジェイクとウーテは減圧事故で船外に放り出され通信塔に引っかかっていたデータドライブを回収するため船外に出て作業を行うが、ジェイクの宇宙服のブースターが誤作動を起こしていた。ジェイクは宇宙空間に放り出されかけたが、間一髪のところで救助された。ジェイクはウーテにだけドライブを回収した事実を打ち明け、その他のクルーには作戦が失敗したと告げた。事故のタイミングに作為的なものを感じたジェイクは、一連の事故は誰かの手によって起こされたものなのではないかという疑念を抱き始めたからである。事故の原因を突き止めようとした2人だったが、何者かがアクセスを妨害していることに気が付いた。システムを知り尽くした人間による犯行としか思えない工作を目の当たりにしたジェイクは、ある恐ろしい結論を導き出した。今回の事件の黒幕はホワイトハウス内部の人間だと。
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