鰹よろし

ラスト・エージェント/奪還の鰹よろしのレビュー・感想・評価

2.6
 校庭で遊ぶ児童たちが休み時間の終了を告げるチャイム(鐘)を聞くや皆一斉に校舎の扉の前に集合し整列、先生に付き従い教室の中へと入って行く。

 児童たちは着席してもまだ休み時間の延長を過ごしており、おしゃべりが絶えない。しかし先生の一声で静まり返り、授業の準備に取り掛かり始める。

 その矢先、武装集団が教室に押し入ってきて阿鼻叫喚の絵図。児童は泣き叫び、教室を支配していた先生もまた無力で助けを請う他なかった。

 武装集団は一人の児童を誘拐していく。彼は大臣の息子であり、生きて返してほしくば機密文書を渡せと要求してくるのだった。内密に事態を解決すべく、農業従事者が立ち上がる。

 休み時間から授業という時間の区切り。校庭から教室という場所の切り替わり。先生と児童という気持ちのスイッチ。

 現農業従事者元特殊部隊、一度は依頼を断るも...、大臣の息子が実は...、誘拐犯有利の人質奪還作戦からゲリラ作戦の展開...、数的不利からの特殊部隊投入...、味方から敵へ、裏切者から...

 学校という空間における規則やルーティン、また先生と児童という図式の崩壊を皮切りに、誘拐犯との攻防における戦況が展開が目まぐるしく変化していく。 

 犯人側の狙いがイマイチようわからず、もっとやり様があったのではないかと思ってしまったり、シチュエーションを成立させるために用意された都合の良いというか若干違和感のある小道具の数々(何故に逃走車に牽引車をチョイスし、さらに大型のトレーラーを?)に目が行ってしまったりするけれども、上記の様にテンポは良いので観られるっちゃ観られちゃう作品だった。
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