裏社会での資金洗浄に関わっている自閉症の会計士ウルフが、大企業の不正を暴いたことからトラブルが発展していくクライム・アクション
前情報で殺し屋としてのスキルに長けている主人公であることは知っていたので、アクションが見所の作品なのだろうと思っていたが、家族の絆や心的障害、正義とは?を真摯に描こうという意図が見えるドラマ性を重視した作品だったので期待していたものとは違ったが、意外性は特にないもののしっかりと練られた脚本と自閉症の会計士が殺し屋(正確には殺し屋ではないが)というコンセプト自体は中々良かった
キャスト陣もベン・アフレック、J・K・シモンズ、ジョン・バーンサル等の渋い顔俳優が揃っているのも魅力的
ただ、物語の運びがスローペースなので途中ダレてしまうのと、主人公のキャラクターが曖昧で、完全な悪人ではないが正義でもない立ち位置にいながら、制作者側の彼をスーパーヒーローの様に描こうとする姿勢のせいで彼の芯が弱くなっているのは残念
近年多く見られる“実は凄い奴モノ”は物語よりもキャラクターに依っているところが大きいと思っている私としては今作の主人公にはあまり魅力を感じられなかったので、十分には楽しめなかった
それでも、物語には全体的に纏まりがあるし、ベン・アフレックが無表情で敵を薙ぎ倒していく姿が面白いなど良いところもある一作