hoshikazukanjo

リトル・マーメイドのhoshikazukanjoのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

※誰も見ないであろう2,000字超えリトマオタの叫び

私はウミガメの大行進を見れただけでかなり満足度高いので、普通に面白かった〜(ゆるい感想)。アニメ版の1〜3作目をギュッとまとめて少しずつお直ししたみたいな感じだった。個人的にとても良かったのは、食物連鎖を否定しないところ。「魚は友だちエサじゃない」の思想を貫き通すのはサメがアリエルたちを喰らおうと追いかけるシーンの時点で無理があると思ったのか、カモメのスカットルは平気で小魚を捕食しに海に潜るし、それを見ていちいちフランダーたちも反応しない。なお、海を汚すのは満場一致でNGね。実写といいつつ画面のほとんどがコンピューターで描かれたものを実写と言っていいのか〜??と思っていたし、TV画面で映像抜粋を見たときは、CGの画が強すぎてゲームまたはパチンコの映像みたいに変なテカリが気になって仕方なかったけど、映画館の大スクリーンで見たら圧倒されすぎて全然気にならなかった。私はアニメ版のオープニング(カモメを追うように海上を渡ると霧の中から大きな漁船が出てきて、その網に引っかかった魚が船から跳ね降り、海底のアトランティカへ向かう……)がファンタジー世界の導入として完璧すぎて大大大好きなのだけど、そこガッツリ変えたのね。アニメ版が華々しく始まるから、実写版はどちらかというとネガティブな印象のオープニングって感じがする。そしてアトランティカがアニメ版みたいな金色ピカピカの城ではなかった!!とても象徴的だからあれを楽しみにしていたけど、そういう城らしい城がないことでシームレスになり、海のだだっ広さを感じた。そしてセバスチャン、宮廷音楽家じゃないんだ!?音楽家なのに何故かアリエルのお目付け役する羽目になるセバスチャンがUnder the SeaやKiss the Girl で本業の素晴らしい腕前披露するから見せ場になるんだけどね😂。エリックはアリエルを陸に置き換えた存在として描かれていて、より二人が親密になっていく様に説得力があって可愛らしい!男1人+女2人の組み合わせが大好きなのでヴァネッサ出てきてからテンション上がってしまう。個人的にはアリエルvsヴァネッサで1時間あっても全然アリ。細かい設定がアニメ版と色々違くて面白い。違えば違うほどアニメ版とは別物と思えるし。

楽しみにしていたメンケン×ミランダについては、The Scuttlebutt が良かった。もうこれほとんどミランダの十八番だけどね😂 メンケン一人だったら生まれてない曲だ。オークワフィナの声もチャーミングだし、高速ラップを歌う様はとてもかっこいい。それ以外の新曲は、特にバラードについてはここ数年のパッとしないメンケンの癖がもろに出ていて、う〜ん……。作詞だけでなく作曲も天才的なミランダが参加したおかげでリトル・マーメイドに少しでも新しい風が吹いて良かった。あとFor the First Timeはハリー・ベイリーの歌唱力がかなり活かされていて本当に耳が気持ち良い。ミュージカル版だとBeyond My Wildest Dreams(メロディー元はアニメ版のWedding Announcement)にあたる曲だからか、音形がよく似てる。これもすごく好きな曲。

会社員になってからリトル・マーメイドを見るとセバスチャンの苦労話かと思うくらい彼をフィーチャーして見ちゃうのだけど、実写版はセバスチャンを主人公と思えば陸の舞台がカリブになったのも頷ける。トリトンの七人の娘たちは様々な人種(人魚種?)で構成されていたけど、そもそも七人というのが七つの海からきてるだろうし、各海によって大陸同様に人種を変えるのは別におかしな話ではないよなと思う。なのに陸の舞台である王国が植民地主義的すぎて、そこが一番冷や汗かいた……。カリブだから有色人種多めなのに、お城は西洋風だし、西洋のドレスを着ている。この土地に、西洋人が侵略してきた大航海時代の歴史ぜったいあるよね……?植民地化してめちゃくちゃに差別してきた歴史はどこへ……?黒人と白人だけでなく、アジア人もいる感じだったから、まさにアリエルが網に引っかかっても王国直行の高待遇(エリックが女の子探していた時期とはいえ)してるくらいだし、割と誰でもウェルカムな国なのかな…??いやまあ御伽話なので、この地球とは別バースです!同じ歴史は辿ってませんから👋なら全然良いんだけど、あまりにみんながニコニコしすぎて「そんな国あるか!!何かに洗脳されてるのか??」ってツッコミそうになってしまうくらいには大人になってしまったんだな……。市場でジョディ・ベンソンが「これ必要でしょう?」と言ってフォークを手渡してくるところは素直に胸熱すぎた。

そもそもこの国の人たち、海を舐めすぎである。(これはアニメ版でもそうだけど)大きい船が煽られまくる嵐の中、井の頭公園で漕ぐくらいのサイズの小舟で助かることってあるのか??ラストも小舟で「地図のない海へ」向かっていったお二人、いくら父上らが水まわりの手助けしてくれるからと言っても、もって2日くらいじゃないか…??いや、ファンタジーにケチつけるのはよくないね。でも実写になってセバスチャンやフランダーらも“げんじつのすがた”になったから余計にどこからどこまでが現実が適用されている??と気になってしまうんだよね😂 トリトンが魔法で手助けしてるのだろうけど、オールを使わずして爆走する小舟見て笑っちゃった。笑顔で終わる実写版リトル・マーメイドでした!!
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