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リトル・マーメイドのmiumiuのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
4.2
公開初日に字幕版で鑑賞。
ディズニープリンセスもののアニメーションをほぼ観たことなく、今作も未見のまま鑑賞した。
大好きなリン=マニュエル・ミランダが製作や音楽に関わっているという点で楽しみにしていた作品。

とにかくアリエル役のハリー・ベイリーの歌声が素晴らしい!!
アニメーションを観たことない身でも歌声だけで全曲泣けた。
人間の文化に惹かれてやまないアリエルと、海に呼ばれている気がして冒険をやめられないエリック王子。
設定だけで、初恋の相手が運命の相手だったんだな… と分かる2人で、全力で応援したくなる。
そして「歌声」「声」が物語の鍵となる今作、歌にこだわってキャスティングしたんだな… ということが分かって、ハリー・ベイリーの歌は説得力抜群だった。

美術面では、海の生き物の色彩を生かしたミュージカルシーンが良かったな。
悪役メリッサ・マッカーシーのミュージカルシーンも迫力満点で満足。
他のキャラクターの歌も全て良かった。
アラン・メンケンの楽曲なのに、歌詞やアレンジの妙なのか、リン=マニュエル・ミランダの曲っぽくも聴こえるのが不思議。

現代的な解釈がもっとあるのかと思いきや控えめだった印象。
かなり直球のラブストーリー。
そして親が子離れする家族愛の話でもあった。
ハビエル・バルデム演じるトリトン王が、娘可愛さと守りたいあまりに親の望む生き方を押し付けていたのに、最後はアリエルの幸せを後押しするのがとにかく泣けた。
それは、血の繋がらない親を持つエリック王子も同様。
運命の相手同士なのに住む世界が違う2人が恋を諦めようとするのに対して、周りの大人たちが背中を押してくれる優しい世界。
そしてアリエル側の海の世界は国境や人種の壁がなくて、人魚もその他の生き物も共生する多様性ある社会なんだな… と分かる演出も泣けた。
原作準拠の人魚の涙の演出も良かった。

アリエルとエリック、見た目以上に若い設定なのでは… と思うので、2人で手を取り合いつつ、あんまり無茶はしないでほしい笑


(追記)
製作中から有色人種のアリエル配役が物議を呼んでいた今作。
私は以前から「何の問題もナシ、どの人種がアリエルを演じたってイイ」派。
もちろんアニメーションへの思い入れで「白人で赤毛のアリエルを見たい」という意見もあるのは分かる。
が、「私はオリジナルにこだわっているだけ」と言い張って差別発言をするのはみっともないと思う。
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