初めに言うと、私はリトルマーメイドが大好きです。それ故に今回のキャスティングには憤りを隠せなかった一人でもあります。
フランダーは薄い魚にされ、セバスチャンはただの蟹に。公開された映像を見たときは、過去作品に愛の無い、思想の強いだけの人間たちが作る、思い出に泥を塗る作品だと。
しかしながら、大好きなディズニー映画であることもまた事実。これで駄目ならディズニー映画に見切りをつけるくらいの気持ちで足を運びました。
結論、映画としてはとても素晴らしいものでした。
確かに先に述べたような問題点は確実に存在します。フランダーやセバスチャンの姿が事前公開されたものから変わっていたわけでもなく、思想の強く反映されたキャストたちが変わっていたわけでもない。当然私の愛した天真爛漫なアリエルの姿はありません。
正直言うともう序盤はそれが気になりすぎて、これはMCUのようにマルチバースのリトルマーメイドだ。そうやって見よう。とばかり考えていました。
しかし物語が進むに連れ、美しい歌声に美しいストーリー。現代技術で再現された美しい海と仲間たち。気付けばこの映画に魅了されていました。悔しい。
言いたいことも不満に思うことも山程ある。なんで、こんなにも素晴らしい映画が作れるのに思想マシマシ改変をしたのか。せめてなんで寄せれなかったのか。
それでも、それでも、映画としては最高の出来です。リトルマーメイドを愛する人の多くには認められない映画だとは思います。
それでも私はこの映画を素晴らしいと感じてしまった。