大傑作!!
オゾンすげえなあ。
第一次世界大戦後のドイツで婚約者を戦場で亡くし苦しむ女とフランスから来た婚約者の友人だったという男が出会うことにより物語が転がっていく導入部から画面に釘付けにされた。
そして、モノクロとカラーを使い分けた映像の美しさに参った。
本作はモーリス・ロスタンの戯曲をルビッチが映画化した「私の殺した男」(私は未見)が元ネタになっているのだが、「私の殺した男」はフランス人の男の側から描いているらしい(ルビッチの映画では、オゾンの本作ではミステリ要素となる婚約者の友人の正体は最初から明かされている。)。
逆に本作はドイツ人の女の側からの視点で描いている。
婚約者の友人の男が語りだす偽りの回想シーンで、微妙にホモセクシャルな匂いを醸し出しているのが、実にオゾンらしく見ていてニヤニヤしてしまった。
ルビッチの「私の殺した男」が見たくなったわ(小林信彦の著作の影響から、私はルビッチは好きで十代の頃に数本見たんだが、「私の殺した男」は見ていなかった。)。
本作の原題は「Frantz」(主人公のドイツ人の女性の婚約者の名前である)
必見の大傑作!!!