婚約者の友人の作品情報・感想・評価

婚約者の友人2016年製作の映画)

Frantz

上映日:2017年10月21日

製作国:

上映時間:113分

3.8

あらすじ

1919 年、戦争の傷跡に苦しむドイツ。婚約者のフランツをフランスとの戦いで亡くしたアンナも、悲しみの日々を送っていた。ある日、アンナがフランツの墓参りに行くと、見知らぬ男が花を手向けて泣いている。戦前にパリでフランツと知り合ったと語る彼の名はアドリアン。アンナとフランツの両親は彼とフランツの友情に感動し、心を癒される。だが、アンナがアドリアンに“婚約者の友人”以上の想いを抱いた時、アドリアンが…

1919 年、戦争の傷跡に苦しむドイツ。婚約者のフランツをフランスとの戦いで亡くしたアンナも、悲しみの日々を送っていた。ある日、アンナがフランツの墓参りに行くと、見知らぬ男が花を手向けて泣いている。戦前にパリでフランツと知り合ったと語る彼の名はアドリアン。アンナとフランツの両親は彼とフランツの友情に感動し、心を癒される。だが、アンナがアドリアンに“婚約者の友人”以上の想いを抱いた時、アドリアンが自らの“正体”を告白する。しかしそれは、次々と現れる謎の幕開けに過ぎなかった──。

「婚約者の友人」に投稿された感想・評価

もこ

もこの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

よくある禁断の恋系の恋愛ものかな〜と思いきや、一味違った。さすがフランス映画、とても性格が悪い。言いたいことがいっぱいある〜!
主人公のアンナやその義両親がピュアでいい人たちなだけに、結末は切ないを通り越して腹が立ってくるほどモヤる。突き詰めれば誰が悪いというわけではなくて、一番悪いのは戦争でみんなそれに翻弄されているだけなんだけど、それにしてもなんかもやもやする。美しい音楽や映像では浄化されないこのじわじわした不快感……これがフランソワ・オゾンなのか……。何で来たんだよアドリアン!
ピエール・ニネ演じるアドリアンの甘えた身勝手さもすごい。行動の理由は分からんでもないけど、ほんと余計なことしてくれたな!?と憤る。あるシーンの一連の流れには思わず彼の感受性を疑いました。お、音楽家のくせに鈍感すぎるだろ!言うに事欠いて「僕たちの結婚式に来てくれる?」だって!ひぇ〜怖〜い!それ計算なの?天然なの?怖い!
そりゃお母さんも「なんて無邪気なの〜♡(こいつ馬鹿か?)」って言うはずだよ!どういう育て方してんだよ!加えて、ピエール・ニネのお目目ぱっちりで可愛らしい顔がアンドリアンのとっても可愛いらしい性格(皮肉です)ととてもマッチしていてもう、もう……!
ここまで来たらアンナはアドリアンと結ばれなくて逆に良かったんじゃないかな?子離れ出来てなさそうな母親もいるし、絶対苦労するよ……ドイツに早くお帰り……。

ラストシーンはモノクロ→カラーになって、希望が持てる終わり方。アンナの言葉にも裏は無いと思う。陰惨な作品を観ると逆に生きる力が湧いてくるというのはわりとあることだと思うし、問題はいつドイツに帰るか、帰っても義両親に嘘をつき続けるのか否か、だよなぁ。

なんかアドリアンに対する鬱憤が爆発してしまったけど、この映画は恋とか愛とかよりも「許し」がテーマになってるのかも。許すことで何かが劇的に変わる訳ではないけど、少なくとも憎み続けているよりかはずっと楽だし、許すことで次の一歩が踏み出せる。アドリアンを、ひいてはフランスを許すことでお父さんの人となりが少し変わったように、また誰かを愛することが出来るようになるかもしれない。アンナがまさにそれで、彼女はまた許すことで次の一歩が歩み出せる、ことを願う……。
まごころとか真実の愛とか、何それ美味しいの?と思う人間にとって、オゾンの嘘や欺瞞や偽善は美しい。
奈菜子

奈菜子の感想・評価

4.0
「その真実の先にあるのはさらなる苦悩、さらなる涙だけだ。
汝の罪を許しなさい。
キリストが己を磔にした者を許したように」

WWⅠで婚約者を亡くしたドイツ人のアンナ
婚約者の友人を名乗るフランス人の青年アンドリアン
行き場のない想いが嘘になって絡み合っていく。モノクロ×カラーの映像美も相まってその過程にぞくぞくしました。
アンドリアンがアンナの婚約者の墓参りに訪れ、それをアンナが目撃するところから物語は始まります。
前半は彼が独りドイツへ、後半はアンナが彼を追って独りフランスへ。まるで鏡写しのような展開、そしてルーヴル美術館、モネの絵画作品「自殺」の前で迎えるラスト、全てが本当に見事です。「婚約者の友人」の正体が解っても、そこで終わらない、終わってくれない。
真実は必ずしも明らかにすべきでないという態度がオゾン監督の作品の雰囲気にはとてもあっている気がしました。惑わされたい、という気持ちで臨んだのは正解だったようです。

アンドリアンの宿泊するパブでは男たちがドイツ国家を歌い、アンナが立ち寄った喫茶店ではおもむろにフランスの軍歌が。
互いの言語を理解しあうフランスとドイツ、大戦後の互いへの憎しみがこんなにも激しかったのかと思い知らされました。
mako

makoの感想・評価

3.7
《2018#35》

フランス映画です。 
ですが舞台はドイツです。 
戦争で婚約者を亡くしたアンナ。婚約者の両親に娘のように可愛がられ一緒に住んでいる。 
ある日婚約者のフランツの墓に行くと花が手向けられていた。そして次の日はフランツの墓前で見知らぬ男性が涙を流しているのを見かける。 
彼はフランツとパリで会い、交流していたと打ち明けた。だが彼は戦争相手のフランス人。 
フランツの父は息子を殺したフランス人兵士を憎んでいたため、家を訪ねてきた男性アドリアンを一度は追い返す。 
だが母親はフランツと仲が良かったならその当時の事を聞きたいと家にアドリアンを招く。 
最初は拒んでいた父もアドリアンと交流を持つうちに打ち解けていく。 

戦争により息子など身内を失った家族。でもそれは相手国も一緒。そこをどう理解するかによって、憎しみを赦しに昇華させることができる。 
アドリアンの真の告白を聞いてアンナは激しく動揺する。私もアンナと同じ状況なら私も動揺すると思う。そして何故本当の事を言ってくれなかったのかと。 
でもそんなこと言えないと思う。ただでさえフランス人で心象が悪いのに。でも言わなかったことによりフランツの事をより知ることができた。でもそれがアドリアンには辛かった。 
アドリアンの告白をフランツの両親に告げるべきかどうか迷うアンナ。 

アンナは所在が分からなくなったアドリアンを探しにフランスへ行った。そこではフランス人もドイツと同じように戦争の傷跡があり悲しんでいる人達がいることを知る。 
戦争は人を傷つけ、人生を狂わせる。 

悪くないけど、アドリアンがどうしたかったのかイマイチよく分からなかった。 
ラストもどう理解していいのか分かりませんでした。
あらすじではミステリーもののようになっていますがミステリーものではないと思います。 
なつ

なつの感想・評価

4.8
もうっ、オゾンの意地悪っ! 大好き!

相変わらずママンの破壊力がすごい。
あのシーンで最も言われたくない台詞はこれだな、と思った瞬間、あいつがそのまんま言いやがって映画館でひゃっとなりました。
ある意味、王道ストーリーではあるけれど、見せ方がうまいし、モノクロのシーンは本当にきれい。レース編みが趣味なのでヒロインのレースの付け襟といい、お洋服といい、ビジュアルにうっとり。
こういう映画を観るとものすごく元気になります。うふふ。
すず

すずの感想・評価

-
モノクロとカラーの使い分け。
カラーになる規則が途中からわからなくなってしまったが、強い感情の時にカラーにしているらしい。

色使いだけでなく、多くを語らずみせる。雰囲気だけで酔いしれそう。
こういう作品の良さがわかると映画好きと言えそうな映画(笑)

今の私には難しかったようだ。
時間が長く感じてしまった。
mumrik

mumrikの感想・評価

4.0
切ない。
その一言に尽きます。
個人的に恋が絡むものはあまり好きではないのですが、この映画は、観てよかった。
胸がきゅっとしました。
フランソワ・オゾンはいつもなんとなく気になる存在。
でも今回は不穏な空気が流れつつもそれほど…
白黒とカラーの使い分けが、現実との境目かなって思ったけど、そうでもないシーンもあったような気もするし。
やす子

やす子の感想・評価

3.9
フランソワ・オゾンの作品は気になっていたものの、
今作が初見 。
モノクロとカラーの行き来がナチュラルで
わたしは映像がとてもきれいに感じた ◎
ㅤㅤㅤ
ストーリーは、謎が明らかになるとともに
悲しく、切なくなっていく。
ピエール・ニネの美しさと危うさ最高すぎたし、
ポーラ・ビールがまだ22歳くらいであることに驚き。
フランス語やドイツ語の響きがとっても好きなので、
それもとてもうれしかった。
ㅤㅤㅤ
ほのか

ほのかの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

戦死した婚約者の友人が訪ねてきた。

本当に本当に本当によかった。
何回でも記憶をなくして見直したい。まだ見てない人が羨ましい。よすぎて何から残せばいいのか…。
全篇モノクロで描かれてて、時々カラーが入ってくる。どういう意図でカラーにするところを選んでるのかが不思議で共通点が見つけられなかったけどでもそれが心地よくてモノクロでもカラーでもとにかく感情という感情が痛いぐらい刺さってきた。

はじめの舞台はドイツ。
WWⅡが舞台の映画でドイツは悪として描かれがちだけどもちろんドイツからしたら敵国の人間は自分の愛する人を殺した殺人犯。2回目見るならドイツにいる時のアドリアンの様子をしっかり見るだろうなあ。そして泣くんだろうなぁ。いやイライラするんかなあ。それにしてもアドリアン美しすぎてクラクラする。出てきた時ヒョロッヒョロでドイツにいる違和感半端ないと思った(勝手なドイツイメージ)けど、脱いだらちゃんと鍛えてる御身体でヒュ〜!スーツが鬼似合う。外国人のスーツ姿ってなんであんなにかっこいいんでしょーね!?!?ジャケット脱いだ時のベストもさらにイイー!(フランツとアドリアンがルーヴルで楽しそうにしてる画が本当にすきだった。)

お互い惹かれていくけど秘密を打ち明けられてアンナはアドリアンを拒絶する。まあ普通の反応かな。でも神父さんまじでありがとう。そう、わたしは!それが!み!た!いッッ!!!!!ってめちゃおもいましたからー!!!

アドリアンを探しにきたフランスでアンナは肩身の狭い思いをする。それはアドリアンがドイツでしたものと一緒で、よりアドリアンが恋しくなり許す気持ちが大きくなる。けど結局叶わないのがもうめちゃくちゃいい。普通のラブストーリーなら運命の再会でハピエンだけどそうはならない!最高!アドリアンの家族とのディナーはもう見てるこっちも居心地悪くてそわそわしてしまう。ファニーがユダヤ系ぽくて、つまりドイツ人のアンナとフランス人のアドリアンとその家族、そしてユダヤ系?のファニーが一緒にディナーとってるわけで。戦争終わったと言っても全員の心の中に大きな傷があるまま。そんなん味わからんよなー!

汽車の乗り込む前のシーンは胸が苦しくてぎゅーーってなる!恋愛を期待せずに見た映画でほんのり香る恋愛は大好物です。勿論ものにもよりますけども。
「もう手遅れだわ」は気づいてしまったアンナの気持ちと決して叶わないことがわかってしまった2人の気持ちにかかってる気がしてならない。アンナが両親のためにつき続ける嘘はアンナ自身がそうあったらいいのにと願うものであって自分にも言い聞かせてる気がした。最後の手紙の内容と真逆の表情でルーヴルを歩くアンナの姿、最後に行き着く先。

「死は戦争で十分だよ。」
とてもすきなセリフ。本筋からちょっとズレたところの言葉だからハッとする。一歩引いたところに連れ戻してくれる。
>|