ひょんなことから起きる事件とその家族にまつわる同業者を名乗る村田(でんでん)夫妻との出会いをきっかけに少しずつ歯車が狂っていく、、
まず始めに、この映画。
・精神的に良好な状態ではない方
・共感しやすい方
・結末に救いを求めている方
は見ない方がいいと思います
園子温監督は数々のこういった作品を残してっている方なので、そんなこと言われなくても見ませんよ!!という方と
おおぉ!見る見る、エログロかかってこいやぁあ!という方もいらっしゃって当然ですので。
もう冒頭のシーンからスーパーで投げいるように冷凍食品を入れていく。あれも園子温監督っぽい〜〜なんかいいな~と思いながら。based on true storyの文字をバックに……カッコいいっす
吹越満さん演じる社本のまぁ~ダメっぷりというか、人間の弱者を象徴するような父親…
娘が食事中に携帯を使っては夜中に呼び出されても叱ることも出来ず、万引きをしても見逃されてそのまま、何一つ父親らしいことが出来ずにいる。
吹越さんが本当に凄いのは、この演じ分けだと思いました!
人間ってこんな風に洗脳されていくんだ、とトントン拍子で村田の言う通りに事が進んでいってしまう…
社本が、何とかここから抜け出そうとしたような素振りをしたがそんなの村田からしたら御構い無し。
ついに村田とその妻まで殺すまで至ってしまうのですが、
それも村田に今までずっと社本自身が抱えてきた問題をまるで畳み掛けるように罵られる場面があるんですね。
その後何故か村田の妻に無理やり犯させるっていう園子温さんっぽいなぞ展開があるのですが(笑)
そこで何かタガが外れたように、なにかのスイッチが社本に入ったんですね…
その時の社本の豹変っぶりと言ったらもう、、!!!
でも私何となくですが、
社本さん、ただ流されてるだけじゃなくて今の現実を受け入れつつ、変えたい
だけどこの村田について行ったらどうなるんだろうっていう僅かな希望もあったのかな🤭なんて。
だって、本気で逃げようと思えれば逃げられるし 警察に通報できる瞬間だってよーく見てたら結構あったと思うんです。
それをしていない、、ということは…?
って考えた私は妄想キツすぎでしょうか。笑
社本の奥様も奥様で…
吉田さんの身内が全員揃って殴り込みに来るシーン。
隣の部屋ではおっかないお兄さんたちが怒鳴り声やら詰め寄る声やらでちょー緊迫してるのに、扉一枚挟んだところでお店の女の子と指人形でイチャイチャする奥様。笑
しばらくした後そんな事無かったかのように「あんた〜!!!(泣)この人だって色々と考えてるんですぅ!!」と隣の部屋に切り込みに行く凄味……
一体どうゆう心理状況なの!!!
あと凄い個人的に好きなのは、
社本にアリバイを作らせる為に長台詞やらその時の状況を細かく言えるように訓練させるシーン。笑
社本さんビビってしまい声が小さく、その時の奥様。
「はいもっと腹から声出してぇ!!!」
一発ビンタ!🤚
社本「はいぃい!」
いや一体私は何を見させられてるのと思いながら思わず笑ってしまった!笑
このお店に入ってしまったら最後。
呪怨の呪いの家みたいな。
でも、後から調べました!
園子温が何を描きたかったのかと…
どうにもならない誰も救われないようなエンディングで
吹越さんが言うんです。
「生きるってのはなぁ、痛いんだよ!!」と言いながら自分の首を、、きゃああー!
今まで父親らしいことが出来なかった吹越さん、ラストのシーンで父親というか人生の辛さや痛みを身をもって娘に知らしめたのかと…
結局、自分自身の人生は自分で何とかするしかないんだと!!
誰かに救ってもらおうとか誰かが助けてくれるんじゃなく自分で切り開いていくもの
なんだってさ~
まさかこの映画でちょっと自分の気持ちが楽になるとは思わなかったです。。。
とにかく園子温さん、頭の中を一度解剖させて頂けませんかね??