一人旅

テイキング・オブ・デボラ・ローガンの一人旅のレビュー・感想・評価

3.0
アダム・ロビテル監督作。

ブライアン・シンガーが製作を手掛け、新鋭アダム・ロビテルが演出したホラー映画で、アルツハイマー病の老女を取材する医大生らが遭遇する恐怖の一部始終を描きます。

医大生のミアは、医療ドキュメンタリー制作のため、アルツハイマー型認知症を患う老女デボラとその娘サラの密着取材を開始するが、取材を進めていく中でデボラの言動が次第に異様性を帯びてきたことに違和感を抱き始めて…という“認知症(+α)ホラー”です。

全編ビデオカメラ&監視カメラの録画映像によるPOV方式のドキュメンタリー風ホラーで、デボラの症状が日に日に悪化していく原因が果たして認知症の進行によるものなのかあるいは悪霊に憑依されているのか―という二者択一の謎を最大の焦点にして物語を引っ張りつつ、老女デボラと彼女と向き合う人々が辿る驚天動地のクライマックスへと雪崩れ込んでいきます。

ドキュメンタリー風の撮影&編集手法が実在する恐怖感を体現していますが、観客の心拍数を上げる直接的な恐怖演出はジャンプスケアがメインで工夫が足りていないのが惜しい点です。それでも、老女デボラに扮したジル・ラーソンの最恐演技には間違いなく拍手喝采ですし、終盤における老女の最終形態はインパクト絶大となっています。
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