「一体、何までが飲み物なのか」
医学生のミアがアルツハイマー患者のドキュメンタリーを撮るため、
撮影クルー(ギャビン、ルイス)とともに、ローガン宅を訪れる。
ここに住む、デボラ・ローガンがアルツハイマーを患っており、
一人娘のサラが泊まり込みで看病を行っていた。
ミアたちはカメラを持ち込み、デボラ・ローガンの病状を録画し始める。
撮影が進むにつれ、症状が悪化するデボラ。
しかし、アルツハイマーでは説明ができない、
奇怪な現象が周囲で発現しはじめるのであった・・・。
■「鑑賞環境の都合上、割引あるかも」
もともと見る予定は無かったんやけど、
ほかの人のレビューで浮かび上がった割と印象的なジャケと、
評価も上々っぽかったので見てみた。
以前、海外版のtrailerチェックした記憶はある。
で、レビューの前に、今回、ストリーミングレンタルで観たんだけど、
ウチの糞プロバイダの都合上、回線速度が途中から落ちて、
中盤に何度か停止するハプニングが起きた。
デボラの呪いかもしれないけれど、
そのため、「いよいよ面白くなる」ってところでそれが起きて、
そこでいったん気持が切れてる。
例えるならば、今日のシンザン記念で直線追い出そうとするアルアインで
幸四郎がよれて、ブレーキかけて再追い出ししたけど後の祭り状態って感じ。
わかりやすい。
なので、点数に若干想像が入ってる点、
もしかしたら、もっと点高かったかもしれないし、逆かもしれないっていう、
若干のあいまいな点数ってことをご容赦ください。
例えるなら、今日、アルアインが不利が無ければ勝ってたかもしれない、
けど、もしかしたらどの道負けてたのかもしれない・・・という気持ち。
そう、アルアインに賭けて負けたワイの気持ということです。
■「導入テーマが秀逸」
ジャケだけ見ると、すっげエゲツナイ系?って思えるんだけど、
実際はま、普通のモキュメンタリーホラー。
なので、あんま過剰な期待はしない方がいいんだけど、
割と上手いこと面白味がまとまっていた映画ではある。
特に導入部分が秀逸。
ただ、ちょっと断っておくと、アルツハイマーを一つテーマにしてる部分があるので、
これはちょっと身近な話過ぎて、人によっては笑えないというか、
ホラーなんてもんに利用すんな!的なご立腹される可能性もあると思う。
本当に当事者の方々にとってはキツイ現実だと思うので、
そういう方は、この映画も見るのやめて、このレビューもここで止めて頂けると。
ウチのばーちゃんも最後そんな感じで、ま、脳梗塞が原因だったけど、
看護してたおばさんが大変そうなのは聞いてたからね・・・。
で、そういう方は一旦、クローズしてもらって、レビュー。
アルツハイマーをテーマとしたことで、不謹慎感はあるけれど、
割と身近な話のノリで映画に入ることができたのは一つ大きいと思う。
今までのホラーって、たいてい、身近ではないよね。
境界線を越える行為が必要というか。
でも、病気ってのは選べないし、アルツハイマーに関しては、
例えば家族が、例えば自分がなる可能性は全然否定できない。
そういったモノを冒頭の入りで使った事で、
見る側も変に姿勢を正したというか、親身になって見始めたというか、
これは結構大きかったと思う。
ま、結果、いつも通りなんやけどねw
まぁまぁ、中後半はいつも通りのホラーなんだけど、
序盤にアルツハイマー使った事で、中後半の印象も変わってくるつかね。
それに、もともと、悪魔憑きとか、悪魔祓いとかさ、
もとはこういうアルツハイマーや統合失調症の類の病気から始まっていると思うんだよね。
症状すら解明できてなかったころってのはあって、
そこにスーパーナチュラルな存在を求めるってのはね。
ま、しかし、今の人類の知識ってのは、今時点でわかってる粒度の世界の話。
物事はどっかで突き詰める事をやめて、一定の粒度で結論への公式を導き出すわけで、
それは本当に真実かってのは別だけどね。
つまり、特定の条件に特定の名称を付けて、定義付けしたけれど、
「特定の条件」が間違っていたり、もしくは深堀すると違うものだったり、
科学の折り合いの間隙に、オカルトは生き続けるわけだ。
オカルト=未解明の事象+解明・認知すらされてない事象と考えると、
もちろん、これらの症状の中にオカルトが含まれる可能性は・・・。
って、思いながら見た方がいい映画。
■「マーボー豆腐は飲み物のであれば、どこまでが飲み物なのか」
その昔、今は亡き若槻千夏が、「麻婆豆腐は飲み物です」ってタイトルのブログで
一時期人気ブロガーになっとったけど、あれは人類の一つの疑問かもしれない。
どこまでが飲み物なのか。
マーボー豆腐は飲もうと思えば飲める。
しかし、マーボー豆腐が飲み物だとすると、
飲めるもの=飲み物ということになる。
となれば、餅を飲む人もいるわけで、
餅も飲み物と言えなくもない。
そんな閾値を、この映画は大きく飛び越える。
まさか、そこまで飲み物なのか、と。
・・・痛恨のネタバレしてしまった。
ま、ここが衝撃の画であり、ワイの爆笑ポイントの一つだった。
あと、BBAがタン吐いたシーンで爆笑した。
■「お兄さん・・・乳・・・ありまっせ」
ホラーでお約束といえば、乳を放り出して箸休め的な存在、
恐怖をいったんエロに切り替えるところでいえば、恐怖休め的な存在、乳要員。
乳を放り出すことで、恐怖すら忘れさせる乳要員はまさに現代の天使。
本作にも出てきます。
体当たり演技です。
彼女の乳を見てやってください。
■「演技上手」
この映画でポイントだったのは、
イカレBBA役のジル・ラーソンと娘BBA役のアン・ラムゼイの演技が良かった点。
両者とも、重要な役柄だった分、
この配役は良かったんじゃなかろうかと。
ジル・ラーソンも、不気味なBBAってだけじゃなくて、
普通に美人やったから、それも結構大きいと思う。
普通にしてたら、上品なBBAって感じで、
そのギャップって言うか。
アン・ラムゼイも、娘役にしてはもうBBAやけど、
この人も綺麗と言うか、好感もてる人やね。
どっかで見た顔やと思って調べたけど、全然知らんかった。
けど、この二人の演技が、
この作品の評価挙げてるのは間違いなかろう。
■「良作」
モキュメンタリーって時点で人は選ぶかもしれないけれど、
そんなにハードル上げずに見たら面白いと思う。
バッド・ハット・ハリー・プロダクションズのロゴが毎度かっこいいと思う。