山形県上山市牧野で小作人の長男として生まれた木村迪夫は、戦争で父・叔父をなくし、戦後、自作農となるも出稼ぎや廃棄物収集業(ゴミ屋)にも就くなど、高度経済成長の中、社会の底辺での生活を長年強いられた。一方で、そんな社会の矛盾や戦争の非道さを、60年以上にわたって詩の中に綴ってきた。また、衰退する農村を憂い、三里塚闘争を記録していた小川プロを自宅隣に呼び寄せたり、叔父の遺骨を探しに太平洋の激戦地・ウェーキ島での遺骨収集事業に参加するなど、その活動は農業や詩の創作に収まらなかった・・・。
©『無音の叫び声』製作委員会