Osamuさんの映画レビュー・感想・評価

Osamu

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正欲(2023年製作の映画)

3.5

ダイバシティは大事なことです。この映画のゴローちゃん、分かってないよね、ヤバイ。でも、ガッキーとかの水フェチで明日死んでも良いと思ってる人たちって何なの?意味が分からん、あり得ない。

結局、こんな感
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.0

なんだか分からんがおもろい。
居場所の話なのか。
ここがダメならあちらへと。
こいつらとはダメならアイツらと。

Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン(2005年製作の映画)

4.2

朝鮮総連の活動家の父とそれを支える母に育てられた娘のドキュメンタリー。
監督である娘が撮る父母の姿からはお互いの愛情が感じられ、いつまでも眺めていたくなるような平和な気持ちにさせられる。
しかし、3人
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夕なぎ(1972年製作の映画)

3.0

「何のことやら、さっぱり分からない」が鑑賞直後の感想。

仕事でそれぞれ成功している男二人と、その男たちに従属する女の恋愛話だが、女が従属から離れて男たちと対等な立場になって戻ってくる女性解放話と受け
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ラストレター(2020年製作の映画)

4.1

トヨエツ、ミポリンや庵野さんの使い方には大いに物申したいが、、、泣いた。

「Love Letter」と同様に、手紙が持つ威力や魅力を認識させる力はスゴイ。

姉妹とその子どものキャスティングの演出は
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スープとイデオロギー(2021年製作の映画)

4.0

受け継ぐことに関するドキュメンタリーだ。

自身のオモニ(母)を撮る監督自身も登場する構造。撮り手の立ち位置がカメラの前後を行き来する。

監督のヤンヨンヒの両親は、大阪で朝鮮総連の活動家として活躍し
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.2

紛争のアフガニスタンから脱出した男の話。登場人物への安全配慮だと思われるが、ドキュメンタリーなのにアニメーション。

登場人物が本人であることを保証するのがドキュメンタリーだとしたら、アニメーションで
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百年と希望(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

日本共産党の結党99年目の風景を映す。

日本共産党って不思議な党だよねって思っていたけれど、このドキュメンタリーを観てその印象が強まった。

中国共産党と繋がりが強いわけでも、もちろん暴力的革命を目
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

高齢化が今より更に進んだ近未来の日本で、75歳以上になると死を自らが選択できる法律PLAN75が成立する。その世界を描く。

映画としてつまらないものだった。劇的なものは何も起こらない。感情の揺れは起
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.2

俺だってそうだよ。
あの時のあいつを、忘れていたあいつのことを思い出して我に返るんだ。
あいつ、イン、マイ、マイン。

犬王(2021年製作の映画)

3.8

もう少し物語を注入できればアートとして完成したと思う。

リトル・ガール(2020年製作の映画)

4.0

7歳のトランスジェンダーの生きる悩みを映す。その年齢で背負うには大きすぎる苦しみがショッキング。

大人になったトランスジェンダーが子ども時代の苦しみを昔話として吐露するのは珍しくないが、子どものトラ
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.2

同じ出来事に対して3人がそれぞれ異なる解釈をする。その差は僅かに見える。

決闘で負けた者が悪。強姦では妊娠しない。女は男の所有物としてしか裁判に関与できない。14世紀フランスの世界の解釈はとんでもな
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空白(2021年製作の映画)

4.0

中学生が亡くなる不幸な事故後の、人々の振る舞いを多様な視点で描いている。

主人公の変化により、ワイドショー的なステレオタイプな視点から人を見つめる視点に変化させる手法で観客に視点の多角性を体験させる
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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018年製作の映画)

4.1

光と影の抑揚と奥行きのある構図で全編が映される。この画のセンスはかなり好き。

物語も人生の光と影、奥行きの深さのようなものを表現していると感じた。

自身の人生で大切なのは、働いて何かを成すことか、
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町田くんの世界(2019年製作の映画)

3.8

悪意に満ちたこの社会をちょっと変わったやり方で描いていておもしろかった。

この社会の人間を否定しながら否定し切れない希望を感じた。人間はそんなに簡単には変われないと思うけれど、主人公の女性が新しい自
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フルートベール駅で(2013年製作の映画)

4.0

我々はどこまで引き返してやり直せば良いのだろうか。

力を合わせて外的脅威から自分たちを守り、安心して暮らすための器が人間の社会ではなかったのか。

人物造形を物語の都合に寄せ切らない演出が、行先不明
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ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに(2019年製作の映画)

4.0

サーロー節子の話のようでそうではない。ノーベル平和賞を取ったICANの話でもない。原爆で亡くなった人々の話だ。

彼らに想いを寄せる映画だ。

核の抑止力の理屈は分かるような気もするが、彼らに想いを寄
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夏時間(2019年製作の映画)

4.2

夏休みのおじいちゃんの家。少女の父は母と離婚している。仕事もうまく行っていない。

映画にありがちなシチュエーションだが、描き方はありがちなものではなかった。

分かりやすい物語は語られない。観客に「
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天国にちがいない(2019年製作の映画)

4.2

スレイマン監督の観察者としての視線で描かれている。

敢えて全体の意図を提示せずに断片を集めてつないでいるのではないか。

スレイマンの正面からのカットの連続。観客は観察者としてのスレイマンの観察者と
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ガルヴェストン(2018年製作の映画)

4.0

たまたま居合わせただけの見ず知らずの者を見捨てない。自身の絶望の中で他者の絶望を見て、そこからの救出に自身の希望を得る。
「いくつになってもやり直せる」。励ますためにうなづいた言葉に自身が励まされて行
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Love Letter(1995年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

人が人を思う美しさが描かれている。

死んだあの人が昔住んでいた、今は国道になった住所に宛てて手紙を書く。届かないはずだった手紙の返事が来る。おかしいと思いながらも手紙の交換が続く。この美しい設定に惹
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東京公園(2011年製作の映画)

4.0

人物造形がすばらしく不格好。自身の欠落に関する迷走と決着を、輪郭を見せずに真ん中の方から見せる描き方に引き込まれた。

他者と共に生きるとは何か。カメラと公園と共に、そんな哲学が作品を貫く。

観た者
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春を告げる町(2019年製作の映画)

4.0

福島第1原子力発電所から20キロの町の今を生きる姿を描いている。

被災地の今を考えるとき、被災時に立ち帰りたくなる。今こうなのは、その時に何が起きたからなのかと。そういう映画はたくさんあるが、この映
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ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男(2017年製作の映画)

4.0

ボルグの苦しみをひたすら見せられる。そしてマッケンローとの伝説のウィンブルドン決勝戦へ向かって行く。

スーパースターの影の部分を明かす作品のようで、強くて弱い者が同じ痛みを持つ他者に出会えた小さな喜
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プリズン・サークル(2019年製作の映画)

4.0

何かにおびえ続け、安心して身をゆだねられる場所を持てなかった者たちが犯罪者となり、刑務所内の教育で回復しようとしている。

自身の中にあるものを語る機会が無かった者たちが、語り合うことで変わっていく姿
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どこへ出しても恥かしい人(2019年製作の映画)

3.7

ミュージシャンであり、画家であり、そして何より競輪ギャンブラーである友川カズキさんの日常が映されている。

おもしろい人だ。でも、映画としては物足りない感じがした。苦しみがあまり描かれていないからか。
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だってしょうがないじゃない(2019年製作の映画)

4.0

自身も発達障害と診断された監督が発達障害の伯父まことさんと関わるドキュメンタリー。

撮る側の監督が撮られる側にはみ出していき、主要な登場人物になってしまう、という少し変わった趣き。セルフドキュメンタ
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精神0(2020年製作の映画)

4.0

精神科医の山本昌知さんが引退する最終盤を映す観察映画。

12年前の作品『精神』では患者にひたすら寄り添う姿を観たが、この作品では妻に強く寄り添う山本さんを観た。その絵面は映画にするにはいささか平凡に
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転校生 -さよなら あなた-(2007年製作の映画)

4.2

水平が少し斜めに傾いている。特別な空間を観ていることを意識させる。

少年と少女の体が入れ替わる物語は、自身の痛みを相手の痛みに見出す、いわゆる「投影」を表現しているのかもしれない。「投影」が起きてい
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オリーブの樹は呼んでいる(2016年製作の映画)

4.2

昔、父親が売ってしまった祖父の大事なオリーブの樹を取り返しに行く話。

無計画で、嘘で仲間を巻き込む馬鹿な女。ただ、祖父が回復してほしい、という彼女の思いは周囲の人間の何かを変える。知恵と勇気で困難を
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もうひとりの息子(2012年製作の映画)

3.8

赤ん坊が入れ替わって18年後に分かったということ自体が受け容れ難いのに、それがパレスチナの地に住むアラブ人とユダヤ人の家族の間で起こるという悶絶。

もっと難しいはず、と思いながらも希望を受け取った。
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.0

善と悪が同居しているような女性を描いている。物質主義の塊のように見えるが、金や地位とは全く違うものを求めているのではないかと思わせる瞬間がある。

極端に寄せているようで、そうではないところがおもしろ
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.2

子どもたちの自然な演技に驚かされる(「子どもたち」にはYOUも含まれる)。

社会から隠れて暮らす者たちは、隠れなくとも社会から見えない存在だった。

賞味期限切れの弁当を与えてくれていた店員がいたと
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.2

家族という他人のさみしさが描かれている。そのさみしさは、秘密を持って生きるということなのかもしれない。一方で、他人でありながら相手の何かが自分の中に蓄積される不思議も感じさせる。

物語は語らず断片を
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(2017年製作の映画)

4.3

映画に音声ガイドを付けるという仕事に興味が湧いた。その仕事の奥深さと芸術性に感動する。

映像を言葉に変換するということ。その変換に必要なものは何か。それはこの仕事特有のものではなく普遍的なものなので
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