Osamuさんの映画レビュー・感想・評価

Osamu

Osamu

中高生の頃大好きだった映画の世界に、2015年、長い時を経て戻ってきました。

美しいものが見たい。
とことん醜いものも見たい。それも美しいから。
美しいものに行き着くためにひたすら観る。

映画(749)
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望むのは死刑ですか 考え悩む"世論"(2015年製作の映画)

3.8

考えるキッカケにする作品。

死刑制度に関する討論型世論調査のワークショップの様子を映すドキュメンタリー。

死刑制度の是非は日本に住む我々に課せられた重要な問題だと思う。しかし、日本の行政は死刑制度
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パターソン(2016年製作の映画)

4.3

好きだ。

バス運転手で詩人のパターソンの話。

幸せが詰まっている。こんなふうに毎日を生きればいい。

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

4.0

おもしろかった。若干の物足りなさも残った。

研究好きな小4男子の不思議探求の話。

無限や果て、獲得と表裏一体の喪失など、哲学的なテーマを扱う大人のアニメだと思う。

おっぱいへの探求がもう少し効い
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詩季織々(2018年製作の映画)

4.3

泣いた。

立ち止まって懐かしいものを思い出す短編集。中国と日本の監督によるアニメーション。

一人旅の最後に実家に寄った翌日、中高生の頃よく映画を観た街で観た。およそ30年振り。そんなシチュエーショ
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悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

4.1

とても美しい映画だった。

親と死に別れ、おじさん夫婦に引き取られた少女の話。

少女の感情の振幅がとても美しく描かれていると思う。そして、悲しい、という感情に震えた。

台風クラブ(1985年製作の映画)

4.0

これはちょっと難しいな。

中学生たちの夏の4日間。

大人たちには見えない、中学生たちだけの世界が描かれているように思う。ふざけ合っているだけのようで、誰かが本気で、暇つぶしをしているだけようで、何
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アンビリーバブル・トゥルース(1989年製作の映画)

4.3

おもしろい。好きだ。

刑期を終えて故郷に戻った男と、核兵器により世界は明日終わると信じる女の話。

社会は取引の集合体だ、という女の主張どおりの振る舞いが充満している。女の主張が、どこかズレている感
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誓いの休暇(1959年製作の映画)

4.3

すごくいい。バリショイ、ハラショー。

ソ連の若い通信兵が休暇で故郷に帰る話。

戦争は若者から時間を奪うんだな。平時なら無限とも感じられる自由な時間を、根こそぎ。

道中で会う人たちとの関わりの中で
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A2(2001年製作の映画)

4.3

今を生きる僕たちにとって、とても大切なことを示唆しているように思う。

地下鉄サリン事件から4、5年後のオウム真理教(後のアレフ)信者たちと、彼らを取り巻く社会を映すドキュメンタリー。

自身が住む街
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ルームロンダリング(2018年製作の映画)

3.6

振り返ると主演の池田エライザだけが思い出される。

この世をさまよう死者が見えちゃう、他人拒絶系20才女子の話。

死者へのまなざしは、隣人へのまなざし。そういう目線で描かれている気がする。それはとて
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カンゾー先生(1998年製作の映画)

4.0

今村昌平監督はいろんなことをこの作品に詰め込んでいる気がする。でも今すぐには解読できそうにない。

肝臓炎と診断してばかりの町医者の話。

昼は患者の往診に町を走り回り、夜は肝臓炎撲滅のための研究に没
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はなしかわって(2011年製作の映画)

4.3

しみじみとカッコいい。

恋人の家を出た男が、寝泊りする場所を求めてニューヨークの反対側まで移動する話。

何かを成そうとすることによる社会への関与。身の回りで出くわす出来事や人びとへの関与。それらを
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縄文にハマる人々(2018年製作の映画)

4.0

トンデモ映画かと思ってたけれど、ザ・哲学だった。

縄文にハマる人々を映すドキュメンタリー。タイトルのまんま。

縄文の土器や土偶のフォルムには表現し難い魅力がある。そう言われて見ると確かに魅力的だ。
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標的の村(2013年製作の映画)

4.1

こんな悲しいドキュメンタリーは観たことがない。

沖縄県東村・高江は米軍基地に挟まれた地区。その米軍基地でのヘリパッド建設計画をめぐり反対運動をする住民と、それを排除しようとする何者かを映すドキュメン
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「A」(1998年製作の映画)

4.0

とても悲しい気持ちになった。

オウム真理教・広報部副部長の青年を映すドキュメンタリー。

地下鉄サリン事件という凶悪犯罪を教団が起こした後もなお彼らが教団に残るのは何故か。そんな彼らに日本の社会はど
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母という名の女(2017年製作の映画)

4.0

ゾクゾクしちゃう狂気を求めて観に行ったけれど、唖然としちゃう狂気だった。

17歳の娘が産んだ子供を奪う母親の話。

男がアホ過ぎる。

ガザの美容室(2015年製作の映画)

4.0

銃の音がこわいよ。争う姿が悲しいよ。

ガザの美容室、ワンシチュエーション。

パレスチナの内側の争いを描いている。美容室の中では女たちがそれぞれの勝手をぶちまけ、外では男たちが銃をぶっ放す。

彼女
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ある秘密(2007年製作の映画)

4.3

これは何なんだろう。生きることの不可解さを感じた。

フランスのあるユダヤ人の愛と哀しみ、生きることに関する物語。

1940年、フランスはドイツの侵攻を受け敗北。主権国家の体裁を保つべく誕生したヴィ
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現認報告書 羽田闘争の記録(1967年製作の映画)

3.5

違和感も大いにあるけど、めっぽう力強い。

佐藤栄作首相のベトナム訪問を阻止しようとする全学連と機動隊の衝突。その中で起きた学生の死。それらに関するドキュメンタリー。

機動隊員が学生を棍棒でボコボコ
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ラヤルの三千夜(2015年製作の映画)

4.2

彼の地で起きていることの本質が衝撃の波動に乗って迫って来た。

爆破テロ犯の少年を助けたとしてイスラエルの刑務所に入れられたパレスチナの女ラヤルの物語。

米国大使館のエルサレム移転に抗議するデモの群
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ゲッベルスと私(2016年製作の映画)

4.2

前半、気付かぬうちに輪っかが首に巻かれていて、それを終盤キュッと締められた感じ。

ドイツ・ナチ党ナンバー2ゲッベルスの秘書を務めた103歳の独白。

ナチ党で働いた経験を、開き直ることなく、言い訳の
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.2

戦争もイヤだけど、こんな社会もイヤだ。

年金、日雇い労働、バイト、万引きで生計を立てる擬似家族の話。

何かをやった人たちが、何もやらない人たちに怒られて、周りの人に白い目で見られる、そんな社会はイ
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あ、春(1998年製作の映画)

4.0

こんなことってあるんだな。こんな時、こんな気持ちになるんだな。

ある日、幼い頃死んだはずの父親が訪ねて来て家に居着く話。

人間って、迷惑のやり取りをしながら生きているんだよなあ。迷惑は受け容れられ
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ザ・ビッグハウス(2018年製作の映画)

4.0

熱狂ってヤツに最初は心踊り、最後は吐き気がした。

米国ミシガン大学のアメフトチームの本拠地スタジアム「ザ・ビッグハウス」を映すドキュメンタリー。観察映画第8弾。

大中小様々な金を作る巨大システムを
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榎田貿易堂(2017年製作の映画)

3.5

渋川清彦を観に行ったけれど、伊藤沙莉の映画だった。

ガラクタ売買の榎田貿易堂で何となく働く人たちの物語。

珍宝シーンは伊藤沙莉ファン必見。でも、それだけでは映画として満足できない。もっと何かがほし
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ピュ〜ぴる(2010年製作の映画)

3.8

優しい気持ちに包まれながら、かなしみを感じた。友達へのまなざし、で観た感じ。

コスチューム・アーティストのピュ〜ぴるを映すドキュメンタリー。

10代の頃クラブに着て行くコスチュームを作ったことから
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隣る人(2011年製作の映画)

4.2

劇場なのに無防備に嗚咽した。

何らかの理由で親と一緒に暮らせない児童養護施設の子供たちと保育士たちを映すドキュメンタリー。

誰かが他人を気に掛けて、声を掛けて、顔を見て話を聴く。今日、気に掛けられ
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.2

重く冷たい悲しみが体の中に沈殿した。

フロリダのディズニーワールド近くの安モーテルに住む家族の話。

ひたすら彼らの日常を映すスタイルに作り手の強いメッセージを感じた。

彼らを自業自得と斬り捨てな
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選挙2(2013年製作の映画)

4.1

ハクスリーの『すばらしい新世界』のディストピアを観ているような違和感を感じた。

『選挙』で自民党候補者として市議会議員選挙を戦う姿を映された山内和彦さんが、その数年後、無所属にて同じ選挙区で出馬した
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演劇1(2012年製作の映画)

4.3

観察映画、いろいろ出てくるなあ。他もおもしろいけれど、これは相当おもしろい。

平田オリザ率いる劇団を映すドキュメンタリー。観察映画第3弾。

繰り返される稽古。経営という現実問題。平田オリザの分かり
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滝を見にいく(2014年製作の映画)

4.0

おもしろい。

滝を見に行くツアーバスに乗り合わせたおばさん7人が山で迷子になる話。

家族や友達は仲間で、それ以外は敵。なんてことはないわけで。自分と一緒に生きた家族や友達がもし居なくなったら、その
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.2

ブラボー!

吹奏楽部員の高校生みぞれとのぞみの話。

環境音と音楽、絵の三重奏。ブラボー!
そこに物語の感情が重なって放たれるものに全身が反応した。

環境音は特に靴音が印象的。そこに重ねる音楽を担
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マルクス・エンゲルス(2017年製作の映画)

4.0

エンドロールを眺めながら、体の中で形容しがたい力のようなものがザワザワと動き出すのを感じた。

哲学者マルクスとエンゲルスの若い頃の話。

これは彼らの伝記映画ではないと思う。人間が自分たちが産み出し
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愛・アマチュア(1994年製作の映画)

4.0

ハル・ハートリー監督の特集上映がアップリンクで始まったので、どんな監督なのか試しに観てみたんだけど、けっこう好き。

記憶を失った男と、ポルノ小説ライターの処女の話。

記憶を失うと過去の行為は無かっ
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

4.3

バツグンにおもしろい。

画家のモリ老夫妻と、その家にやって来る人びと、庭の生き物たちとの話。

大層立派なことではなく、シンプルでライトな優しさが充満している映画だ。

会話が可笑しい。この優しい笑
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ラジオ・コバニ(2016年製作の映画)

4.2

感情がごちゃ混ぜになって泣けた。

シリアのトルコ国境の街コバニ。その街の今を伝えるラジオにまつわるドキュメンタリー。

シリアで起きている今の戦争が映っている。心臓がバクバクした。掘り返される映像に
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