Osamuさんの映画レビュー・感想・評価

Osamu

Osamu

中高生の頃大好きだった映画の世界に、2015年、長い時を経て戻ってきました。

美しいものが見たい。
とことん醜いものも見たい。それも美しいから。
美しいものに行き着くためにひたすら観る。

映画(790)
ドラマ(0)

ブラインド・デート(2013年製作の映画)

4.3

静かに、じんわり、幸せな気分に浸った。

40過ぎ、薄毛、独身男の恋の物語。

冴えない男なんだけど、冴えない人生に見えるけど、最高の男で、最高の人生だよ。

タイトルのとおり、友人がネットで知り合っ
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ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

3.8

おしゃれだね。

下町のボロ長屋に住む職無しお気楽男が、近代的な家に住む金持ち妹家族たちと戯れる話。

オープニングの犬たちのシーンとか、伯父さんが長屋を自分の部屋まで移動するシーンとか、おしゃれだよ
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カラブリア(2016年製作の映画)

-

寝不足でかなり寝ちゃったので評価不能だけど、おもしろい味わいの映画だと思う。

スイスからイタリアのカラブリアに遺体を車で運ぶ葬儀屋2人を映すドキュメンタリー。

基本、車の中の会話。それで映画1本作
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彼らの原発(2017年製作の映画)

-

見方が難しい映画だった。

原発のある町、おおい町を映すドキュメンタリー。

原発を押し付けられた住民の苦悩みたいなものを想像していたんだけれど、そういう先入観で観たら何にも分からなかった。

先入観
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TOMORROW 明日(1988年製作の映画)

4.2

やっぱり、そこに向かっていたんだよなあ、と天を仰いだ。

原爆が落ちる前日の、長崎に生きる人々の風景。

誰かを、何かを待つ姿が何度も映される。人は今とは違う未来をいつも待っているのかもしれない。それ
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エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)

4.3

美しい。

体が透明で姿が目に見えない少年と、目が見えない少女との愛の物語。

ひとの目に映らない少年だけど、目が見えない少女には見える。もし、少女の目が見えるようになったら、少年を見られなくなるのか
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

4.3

優しく、悲しい。

何にも無い田舎町で暮らす家族の話。

寄り添うからこそ生まれる悲しみに圧倒された。映画っていいな、と思った。

同じ監督の他の作品を観るつもりが見つからず何となく代わりに借りたので
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おじいちゃん、死んじゃったって。(2017年製作の映画)

4.2

おもしろいね。

おじいちゃんのお葬式前後の4日間くらいの家族の話。

お葬式をきっかけに家族が集まる。いつもは離れて暮らし、別々の世界で生きる家族が集まる。いろいろ噛み合わないのは当然だ。でも、一緒
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デデの愛(2017年製作の映画)

4.0

おもしろい。

ジョージアの因習から逃れ、愛を貫こうとする女性の物語。

かつて国と国が領土を巡って戦争をしていたように、ジョージアでは妻とする女性を奪い、あるいは守るために一族と一族が殺し合いの争い
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獣道(2017年製作の映画)

4.2

おもしろい。

日本の地方都市の若いハミ出し者たちが居場所を探す物語。

僕たちは自分の居場所を求めるけれど、それって何故だろう。そこが本当に大事なものだとしたら、そこを変えた時に自分も変わる(変える
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渚のシンドバッド(1995年製作の映画)

4.2

こういう映画を観たかった。

高校生たちの自分とアイツの物語。

高校生の頃、他人のことなんて果てしなく分からなかった。この物語の高校生たちもそうなんだろう。

他人の存在に気が付いた描写に泣いた。

タリナイ(2018年製作の映画)

3.6

思いには共感するものの、映画としては何かタリナイように感じた。残念。

太平洋戦争中、マーシャル諸島で戦死した父親に会いに行く息子・勉さんを映すドキュメンタリー。

死因は飢餓。死の直前まで日記を書い
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僕の帰る場所(2017年製作の映画)

4.0

映画の未知のおもしろさを発見できるかもって思った。

ミャンマーを逃れ日本に来た家族の物語。

母国で暮らせなくなり、逃れた先の国でも難民申請を受理されない。そこで生きる人間を拒絶する国という存在は何
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なみのこえ 気仙沼(2013年製作の映画)

4.0

東日本大震災で津波を経験した人びとの対話のドキュメンタリー。これも前2作と同じ形式。

これは未来を見つめる話が多かったかな。
笑いが多く、人間に対する絶対的信頼を感じた。どん底を経験した後、信じない
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なみのこえ 新地町(2013年製作の映画)

4.0

東日本大震災で津波を経験した人びとの対話のドキュメンタリー。『なみのおと』同様の形式。

福島の原発に近い新地町だから、震災後の未来の話が、より重い。

震災後に心の有り様が変わって行ったという話もあ
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なみのおと(2011年製作の映画)

4.0

スクリーンに映っているものが何なのか、暫く分からず退屈に感じたけれど、分かってからはとてもおもしろかった。

東日本大震災で津波を体験した人びとの対話を映すドキュメンタリー。

被災の現場がリアルに語
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黙ってピアノを弾いてくれ(2018年製作の映画)

4.2

ハミ出し者を観て大いに失笑した先に、不意打ちのような感動があった。

強烈な個性のミュージシャン、チリー・ゴンザレスを映すドキュメンタリー。

メチャクチャやっているけれど、そこに人生の哲学が見えた時
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少女は自転車にのって(2012年製作の映画)

4.0

清々しい気分になった。

自転車を手に入れて近所の男の子と競争がしたい少女の話。今年、映画館が解禁されたサウジアラビアの映画。

映画館が禁止されていたのは、男女が長い間同じ空間にいることが宗教的に許
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.2

子ども向けのアニメだと舐めてかかったらボロ泣きした。

小学生が両親と離れて、おばあちゃんの旅館で若女将として働く話。

旅館でのおもてなしの話であり、若女将だけに見える幽霊たちとの対話の話でもある。
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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

4.2

笑って、もがいて、泣いた。

40過ぎの男がフィリピンから嫁を連れて来たことで巻き起こる日本の田舎町での物語。

ボコボコに殴られた感じ。
やられ過ぎて爽快でもある。

暴力の物語だ。

何が何だか分
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PASSION(2008年製作の映画)

4.3

メチャクチャおもしろかった。

自己と他者との会話劇、ってことかな。

本音しか言ってはいけないゲームはサイコーにおもしろかった。こんな表現方法を考えつくなんて天才だと思う。これは発明だよ。

『寝て
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幕が上がる(2015年製作の映画)

4.3

心を鷲掴みされた。

高校演劇部の話。

演劇への愛と人生の肯定であふれている。
全然嘘くさくない。

父母たちのキャスティングは、やり過ぎだと思う。

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.8

100エーカーの森の生き物の世界がおもしろかった。

大人になって変わってしまったクリストファー・ロビンがプーと再会する話。

話としては王道だけど、ぬいぐるみ的なキャラクターたちを実写に持ってきたと
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美しい夏キリシマ(2002年製作の映画)

4.0

戦争はイヤだ。

終戦間近、霧島を望む農村の人びとの話。

死が身近にあった時代に、生と死の間で苦しんだ人びとが描かれている。

美しいものに惹かれるのと同じように、神聖なものに人は惹かれる、というセ
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71フラグメンツ(1994年製作の映画)

4.2

テレビのニュースで流れる世界の断片。その断片の全てを集めてつなぎ合わせても世界は出来上がらない。人間の存在は断片に納まるほど軽くない。だけど、断片を見て分かった気になる。あるいは分かろうともしない。そ>>続きを読む

泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)

3.5

前半はまあまあ好きだけど、後半が嫌い。

子どもの頃からプロ棋士を目指し、夢破れ、再び挑戦する話。

好きなことを仕事にしたいがために、競争して同じようにそれが好きな人たちを蹴落とさなければならないの
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二十日鼠と人間(1992年製作の映画)

4.1

重い。苦しい。

知的障がいを持つ怪力男と、その相棒の話。時は世界大恐慌の頃、場所はアメリカの大農場。

社会ははみ出しものを作り、はみ出しものは社会の中で嫌われ、無視されるか殴られる。そんな社会が嫌
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サーミの血(2016年製作の映画)

4.0

最悪の悲劇。苦し過ぎる。

遊牧民族サーミの少女が外の世界に憧れる話。

蔑まれる民族に自身が属しているとき、そこから離れ、蔑む側に入っていくというのはどういうことなのか。

蔑まれることを憎みながら
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静かなふたり(2017年製作の映画)

3.8

好きな雰囲気なんだけど、観終わった後、「ん?」ってなった。

年の差が40才くらいある男女の出会いの話。

もう一回観たら何か分かるかもしれないけれど、話としては感じるものは無かったかな。

客追い返
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

おもしろかったけど、よく分かんなかった。

突然消えた恋人に顔がそっくりな男を好きになった女の話。

なんだかリアルじゃない。文脈が合わない断片の貼り合わせの世界。これは夢か。

そんな中で、倒れたポ
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.0

さみしさを感じた。

男2人と女1人、微妙なバランスを保つ3人の話。

愛おしいものが、いつか、多分そんなに遠くない未来に消えてしまうんじゃないか、そんなさみしさを描いているのか。

「誠実さ」の話で
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未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

4.3

独特な魅力がある映画だった。

仕事も家庭生活も充実した壮年期が終わりに差し掛かった女性高校教師の話。

生きて行くことは喪失して行くことなのだろうか。慣れ親しんだ場所から1つひとつ立ち去ることなのだ
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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.3

とてもイヤな思いで泣きそうになったし、とても感動して泣きそうになった。

キリスト教徒のレバノン人と、レバノンで働くパレスチナ難民の裁判の話。

裁判で明らかになるのは、どのような正義で、どのような悪
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

4.2

とてもおもしろい。

元夫が書いた小説と、二人の過去と、今の自分の話。

これは復讐と後悔の物語だと思う。

ラストがいい。

きっと、いい日が待っている(2016年製作の映画)

4.0

楽しい話ではないけれど、なんか楽しかった。

病気の母親と離れて養護施設に入れられた兄弟の話。抑圧からの脱出計画。

宇宙飛行士になる夢と『2001年間宇宙の旅』で編むアクションが良かった。ラストも好
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

3.8

おもしろかったけれど、所々ベタ過ぎる設定が気になった。

母親に置いていかれた少女と、叔父とその恋人の擬似家族の話。

毛糸で編んで造形するというところがいい。でも、それに悲しみや諦めを詰め込まなけれ
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