kazマックスグローバーレッド

ソード・オブ・デスティニーのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

3.5
人知れず制作されていた『グリーン・ディスティニー』の続編。ミシェル・ヨーがリー・ムーバイについて語り、「A Love Before Time」のチェロ協奏曲が流れて出てきたタイトル『臥虎藏龍』にテンション上がるも始まって5分ぐらいで気づいたのは「あれ?そういえば英語喋ってるぞ」

絵画のように鮮やかな空と町並みの風景はCGで、登場する猛者たちの愛称はサンダーフィストにフライングブレードにサイレントウルフやアイアンクロウなどアメリカンなネーミング。ドニー・イェンの姿もカウボーイぽくって、壁の貼り紙を剥がす時には西部劇のようなBGM。カラコン入れてヴァンパイアみたいな目をした魔術師まで出てきちゃって。そりゃジャッキー・チェンの『木人拳』や『拳精』でもカラコン入れた和尚はいたけども…。

死んだはずの人が次回作では何故か蘇ってるおバカな香港映画の伝統は継承してるんだけどグリーンディスティニーは違うのよ。前作で素晴らしかったヨーヨー・マのチェロも段々と安っぽく感じてきたな。

ドニー・イェンは偉大なカンフースターだし、ミシェル・ヨーは大好きだから「これはマルチバースでWhat If...の世界なんだ」と無理矢理自分を納得させ気持ちを切り替えることにした。

両手を広げ片脚曲げて宙を舞う「軽功」はしっかりと武侠映画になっていて、ハリウッド映画『ドラゴン/ブルース・リー物語』でブルース・リーを演じたジェイソン・スコット・リーと香港映画『イップマン』でブルース・リーの師匠イップマンを演じたドニー・イェンの対決は興味深いし、ミシェル・ヨーとドニー・イェンが共演したカンフー映画として見ればそれなりに楽しめました。