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鉄コン筋クリートのQのネタバレレビュー・内容・結末

鉄コン筋クリート(2006年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

高校生の頃この映画の予告をみて、映像と音と台詞の調和の、完成度の高さに感動して泣いた。その時に映画を学べる大学に進学しようと決めた。つらいときはこの映画をみて助けられてた。色んな思い入れのある映画だったけど、映画館で見たのははじめてだった。
そのはじめてが新宿バルト9でほんとうによかった。
エスカレーターでシアターまで上る間、ガラス張りの窓から新宿の街が見下ろせた。東京を歩いていると、大体どこいても遠くに見える時計塔が気になってた。それがすぐ近くに見えて、こんな場所にあったのかと思った。

本当の冒頭の、黒味に「製作……」と映されてるスクリーンに蒼井優の声が聞こえた瞬間、嬉しくて涙出た。
宝町のこと、時計塔の5時作戦、なんだか新宿の治安とエスカレーターで見た時計塔が重なって今まで味わったことのない感覚になった。
この映画は大好きだけど、精神が健康な時にみると闇落ちのチュウニさに引いてしまって入り込めないことが多く不安だったが、でかいスクリーンとでかい音のおかげで映画の世界にちゃんと入ることができた。
マジでもう、逐一映像と音の演出のよさに感動して涙出た。予告みて泣いてた高校生の頃と同じ体験をした。

最近、邦画をみて楽しめず、自分の中で映画が死んでしまったような体験をしたから、この映画をみて心が震えることを確認できてよかった。まだ生きてた。

過剰な演出があったとしても、それを受け入れられる世界を構築できていれば私はそこで醒めることなく見続けられるんだな。

映画だけみてもめちゃくちゃ面白いが、原作読んでから見ると、紙媒体の漫画から映像媒体の映画にするための構成の練られ具合を実感できる。(朝夜兄弟を冒頭に持ってきてたり、蛇のセリフを殺人鬼が映ってるシーンで流したりとか)

DVDのメイキングで、制作に時間がかかって間に合わず、ゴミみたいなラッシュを見て落ち込む監督たちを見てたからか、映像をここまで仕上げられたのすごいな〜と改めて思った。
今日エンドロール見て気づいたけど映像協力に「マインド・ゲーム製作委員会」いてオッとなった。
大学の授業で少しだけ見て、いつかフルで見たいと思っていたのが「マインド・ゲーム」。高校生の頃は気にも留めてなかった。その映画を今日これから映画館で見るのとても楽しみ。
フィルマークス特集に感謝しかない。
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