ぜき

バリー・リンドンのぜきのレビュー・感想・評価

バリー・リンドン(1975年製作の映画)
3.0
普通だった。

「2001年」や「時計じかけ」とはまた全然違う雰囲気の物語。

主人公の没落から成り上がり、再びの没落という波乱万丈の人生を通して18世紀ヨーロッパの軍隊・貴族階級の風俗を描いているが、いかんせん主人公レドモンド・バリーにキャラクター的な魅力が無く、3時間の長丁場のわりに終始平坦な気持ちで鑑賞していた。

ほんの一部を除きほぼ全てが当時実際に存在していた音楽を劇伴として使用しているらしい。序盤に流れるアイリッシュ(ケルト?)音楽の旋律と広大で牧歌的な舞台が組み合わさった世界観はすごい良かった。

衣装関連で受賞したらしいけど、確かに服装や髪型、建築物のディテールが凝っている。シナリオやキャラクターを抑えて絵的な魅力が強い作品だった。

バリーがギャンブルで貴族から金を巻き上げる場面が一番面白かったかな…最後の決闘シーンも緊迫感あってよかったけど。

義理の息子をボコボコにするシーン、着飾った貴族が感情を抑えきれなくて暴走する姿が破壊の美を感じてゾクゾクした。

途中出てくる人妻がめちゃくちゃ美人。もっと見たかった。

キューブリック作品にしては攻撃力に欠ける映画だった。
ぜき

ぜき