バリー・リンドンの作品情報・感想・評価

「バリー・リンドン」に投稿された感想・評価

この頃はけっこう、一人の人生を追った長編の伝記映画ってけっこうあるのね。こういうのって大抵は長くて中だるみしやすいんだけど、この作品は、途中のインターミッションをはさんで前半と後半は違う流れになっているので中だるみをすることあありませんが、それでも見終わった後はぐったりとなりました。
中世ヨーロッパの風景を完璧に捉えていて、情景、カメラのセンスの良さも相変わらずで、後の「アマデウス」や「乱」にも似ているところがあって、影響を与えているのだろうか?
お話は挙げればキリがないほどいろんな要素が詰まっていて面白かったです。
“good or bad, handsome or ugry, rich or poor
they are all equal now”
(美しい者も醜い者も今は同じ。すべてあの世。)



3時間の超長編作品の割にはあまり起伏がなく、
途中少し退屈になりました。
スタンリー・キューブリックの放つ圧倒的なパワーは、
今回の映画ではあまり感じられませんでした。


絵画のように美しい作品、という評価もありますが、
印象派以降の絵画が好きな私にとっては、
この映画はそれ以前のルネサンス絵画のようなもので、
確かに美しいのだけれど、何処か古臭くもあり、
観る者を選ぶ映画だと思います。


製作:1975年(英)
監督:スタンリー・キューブリック
主演:ライアン・オニール
天狗jet

天狗jetの感想・評価

4.3
素人目にもわかる映像へのこだわり。
風景・衣装・建物など、昨今のCGでは絶対に表現出来ない
迫力がこれでもかと満載。まさに目が幸せ。
夜や室内に灯る、数々の蝋燭の炎はかなり印象的。

そんな映像の中で進む物語は、その豪華な生活を送る
貴族階級への皮肉が散りばめられていました。

作品当時の状況を知らなくても、
親切なナレーションが入るおかげでかなり理解しやすい。
S・キューブリック監督の作品はもっと観ている側を
突き放すイメージを勝手に持っていました。

主人公に影響を与える重要な登場人物の一人、シュバリエ・ド・バリバリ。
・・・いや、名前をどうこう言うつもりは・・・
そして、その方の恰好。
・・・いえ、見た目で判断するつもりは・・・
そんな登場人物を見た主人公がとった行動は?
・・・せめて奥深さを感じさせるやりとりがあってもいいのでは?
え、、、なに撮っちゃってんのキューブリック笑笑 というかんじ。

大作だから一章、二章で分かれてるんだけど、その章の名前が長すぎ!なとこ
出だしが「時計仕掛け」と同じ
無駄にしっかりした時代考証
女がみんな不気味な美しさ

と、ところどころキューブリック節がでてたけど。こんな長いのに、ラストがなー、、、え、それで終わっちゃう?というかんじ
Arisp

Arispの感想・評価

3.3
この上なく美しい映像美でもって18世紀ヨーロッパを生きたハッタリ男のイカサマ半生を振り返る一大叙事詩。
何百本というロウソクが灯されたシャンデリアの宮殿や、おしろいを塗り、つけボクロを付けた貴族のファッションなど、あやしく耽美的で惹き込まれるのだけど、バリーという人間にまったく魅力が感じられないのが辛い所。インチキ臭くても目が離せない強烈な個性があれば傑作になったのにな。
KeN

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4.1
BSプレミアムシネマの録画にて。久しぶりの再見。

『2001年宇宙の旅』や『時計じかけのオレンジ』などSF作品のイメージの強い巨匠キューブリックの隠れた名作。
18世紀のイギリスそしてヨーロッパを舞台とするサッカレーの原作をもとに映画化した3時間超の大作は、いかにも完璧主義者のキューブリックらしく衣装や小道具等に至るまできめ細かく時代考証に拘り、当時の貴族たちの豪華絢爛な生活ぶりを見事なまでに忠実に再現している。月並みな表現ではあるが、まるでドラクロワやレンブランドが描いた絵画のような美しい映像が全編繰り広げられる。キューブリックならではの拘りぬいた構図の美しさは40年の歳月を隔てても全く色褪せていない。
またキューブリック作品には付きもののクラシック音楽は本作品でも多用され、モーツァルトやヘンデル、そしてJ.S.バッハなど この作品の時代に合わせた名曲がふんだんに盛り込まれ、更なる素晴らしい雰囲気を作品に醸し出している。この時代にそぐわないシューベルトの曲が何故か使われていたりはするが…

『ある愛の詩』で一躍スターダムにのし上がったライアン・オニールもこの作品に出演した頃が絶頂期であり、抑制の効いた素晴らしい演技をみせている。

やっぱり、たまにこういう過去の名作・大作を見返してみないとダメだなぁ。Thank You!N・H・K!
Sorry Kubrick: I yawned. Maybe I should give it another shot.
kuroday

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3.0
スタンリー・キューブリック監督による18世紀ヨーロッパを生き抜いたバリー・リンドンという男のメチャクチャなストーリー。
女性略奪から始まり、嘘を重ねイギリス軍からアイルランド軍、はたまた警察へ、やがて賭博師となり、あれよあれよというまに大金持ちの未亡人レディー・リンドンと結婚。バリー・リンドンと名乗るようになるが、やがてまた地に堕ちていく。
ゆっくり映画に引き込まれていくが、終わってみればあっさりと後味は引いて行った気がする。
前半は成り上がりパート、後半は落ちぶれパートでわかりやすい展開
長くて疲れたけど面白かった
連れ子が自ら申し込んだ決闘で怯えてゲロ吐いてるのがなんかリアルで好き
菩薩

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4.4
コインと同じ様に人の一生、人の顔には裏と表とがある。人生も賭博も同じ様なものだ、多少のイカサマはあれど、結局は「運」命に縛られている。敵がおれば味方がおり、消費があれば支払いがあり、坂道を登れば下り坂を下がる、得ては捨てるが人生であり全てを手に入れる事など出来ない。日々が決闘の連続、時に勝ち時に負け、人々はそうして何かを獲得し、時には報いを受け何かを失い生きていく。幸福の陰には誰かの不幸がある、他人を食い潰す者、他人に食い潰される者、そうして生まれる貧富の差、運命の荒波に飲まれ辿り着く先は楽園か、はたまた地獄か。だが美しき者も醜き者も、富める者も貧しき者も、ただ一様に「死」だけは待ち受ける、死だけは常に人々に平等で、誰でも容易く手に入れられる代物だ。片足を失う代わりに多額の年金を得た晩年のバリー、運を使い果たしたであろう彼がその後どの様な末路を辿ったかは分からぬが、彼を待ち受けるものが「孤独な死」である事だけは確かであろう。バリーの生涯で最も幸せだった時はいつなのか、何はともあれ彼は無事故郷に帰還を果たすのである。
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