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バリー・リンドンのMinaMiのレビュー・感想・評価

バリー・リンドン(1975年製作の映画)
4.1
どのカットをとっても絵になる。18世紀の風景画や人物画がそのまま映画になっているような美しさ。
第1部の純粋な青年がいかにして成り上がり、第2部のような男になったのか。出会う人々と起こる出来事が紡ぐ運命。
ほんの少ししか出ない登場人物のその後の人生も示唆するような演出。この時代に生きていた全ての人にそれぞれの生活があり、描かれなかった物語もあるのだろうと想像させる。最後に出てくる一文がこの映画を表している。
バリー・リンドンの人生は数奇な暗号に満ちている。
はじめに「馬」の売買をきっかけにした「決闘」で命を落とした父。とある別の「決闘」でバリーは旅に出ることになり、運命が大きく回り始める。人生の終章において、息子に買い与える「馬」の売買はすんなりいったものの、「馬」にまつわる事件で人生が変わり、さらに「決闘」が全てを決定づける。
ブリンドン卿がブライアンに自分の靴を履かせるのも、世継ぎを表す皮肉なんだろうか。
そして、シュヴァリエ・ド・バリバリというネーミングセンスは、イギリス人らしくどうにかしている。

・脚本 8/10
・演技 8/10
・演出 9/10
・音楽 8/10
総合点 33/40
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