パコ・デ・ルシアという名前は知っていたが、たまたまレコメンドに出てきたので鑑賞した。
インタビュー中、パコはほとんど笑わず、渋いに近い表情を終始崩さないことが印象的だった。ブレイクした時も喜ぶより戸惑い、コンサートでは観客の満足より自分の満足が重要と考える。シャイという表現が出てきたが、それに加えて、謙虚というのではなく、抑制的で求道者的だと思った。孫と思しき少年が数回登場するが、その時には笑顔を見せ、最もパコの幸福を感じた。
演奏シーンが素晴らしいのは言うまでもないが、生い立ちやギターとの出会い、無名時代、ブレイク、ジャズミュージシャンと共演しフラメンコの枠を越える時期が描かれ、それぞれの時代のインタビューが挿し込まれている。パコのギター人生を概観できた。
アンダルシアのギター、音楽は生活に密着していることが感じられ、アンダルシアの雰囲気も垣間見られたのも良かった。パコの母親の歌唱映像まで出てきた。
