ひしくい

海は燃えている イタリア最南端の小さな島のひしくいのレビュー・感想・評価

3.5
地理的・距離的に難民に近かったら、それだけで難民問題を身近な問題として深刻に捉えることができるのか? という問いに答えている作品。

莫大な数の難民が辿り着く島でありながら、1人の医師を除いて、島民と難民は交わらず、島民の日常が難民問題に影響されている様子もない。だから島民を写したパートと難民を写したパートは別の作品ではないかと思えるくらいなのだけど、かえってそれがぞっとする。

たぶん、日本からは遠い存在だから難民問題を緊迫したものだと思えないのではなく、ただ私が「怠け者の目」を持っているから近くの難民問題に気づいていないだけなんだろう。
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