ひろぱげ

河内カルメンのひろぱげのレビュー・感想・評価

河内カルメン(1966年製作の映画)
3.2
個人的清順祭り第7弾。(そろそろ打ち止めかな)

河内のド田舎出身の露子(野川由美子)。家庭環境も、自身に起こったレイプ事件も、相当悲惨なはずなのに、どこかあっけらかんと「こんな田舎出て行ってやる」と吐き捨てて大阪の繁華街へ。キャバレーで働きはじめ、そのうちモデルになったり、芸術家の男の家に転がり込んだり、成金変態オヤジの囲われ者になったり、初恋の人(相当なクズ)に貢いだり、・・・。彼女の男遍歴をサバサバと、しかしどこか哀しく描いていく。

露子のキャバレーの客で、ちゃっかりヒモになっていく佐野淺夫が、ショボい中年男の哀愁と可憐を滲ませていて素晴らしい。彼との別れのシーン(座布団ズズズからの、怒ってる芝居)が秀逸。
他のキャラクターも一癖も二癖もあって良い。

いわゆる「清順節」と言われる奇抜な演出は、この作品の場合はバランス良くはまっていて、「なんじゃこりゃ!?」度は薄め。そこが良いのだ。

楠侑子演じるモデルの先生がレズビアンという設定なのだが、時代なのか、セリフでは「ホモ」「同性愛」と言われていて、なかなか味わい深いのであった。
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