史上最も美しいスプラッター、その名に恥じぬ傑作でした。美しくも哀しいかな。その哀しみすらも美しい。
万人にオススメしたいし観て欲しいけど、誰にもオススメできない映画。なんだこのもどかしさは。こんなに傑作だというのに。
劇中でヘッドレスという映画があって、スプラッターと呼べるのはこのシーンのみだが、ここにスプラッター90分に等しい恐怖、狂気がぎゅぎゅぎゅっと凝縮されている仰天キチキチシーンになっている。
がしかし、これがなかなかどうして重要なシーンなわけですよ。
マーティ同様に、目を背けたいほどのシーンと向き合わないといけないんですよ。いやぁ。凄い。
このヘッドレスが、哀しく見えるのが、またこの作品らしくて良いんだよなぁ……。
まだ幼く多感な少年、マーティが主人公であり、最後まで物語はマーティ視点であること、そしてマーティの視点以上のことは一切語られないところが素晴らしい。
そしてマーティの趣味（？）である、家族の秘密をこっそり盗み見ること、この行動によって家族の関係性などが垣間見え、
マーティ視点での一つ一つのシーンや会話の端々から、それぞれがどんな人物であり、そして兄弟がどういう人生を送ってきたのか、どのように育ったのかを次々とイメージさせてくる。
この伝え方がもうめちゃくちゃ巧みで、細部への細かな仕込みにとにかく感動。
途中、兄とハグするシーンは冒頭アニメーションとばっちりリンクして泣けるほど美しいし、そこからのあのラストシーンはもう最高。
特にこの映画を見て、ホラーとかスプラッタなんて見たら暴力的な子供になる！とか、教育上良くない！とか、悪影響がでる！！とか、酷い映画だ！子供にはみせられん！！って言う人にほど、ブッスリと刺さる渾身のメッセージが隠されているように感じたし、
そう言う人にはそのメッセージがブッスリと刺さっていることにすら気づかない、という究極のブラックジョークなのではと思うのは考えすぎだろうか？
観た人にしかわからん素晴らしさ！書きたいこともやまほどあるんだが、わからん人にはわからん素晴らしさだと思うし、あーーもう映画ファン全員これ観てレビュー書けよオラーーー＼＼\\٩( 'ω' )و //／／
