このレビューはネタバレを含みます
内からの透明か外からの透明かで勝手が変わってくるなと。
恐らくは未来永劫拡張される事のない「ダーク・ユニバース」それとは別路線でリブートされた本作は、ソシオパスの透明人間に狙われる側をメインにした話なので観客から透明人間の位置や意図は読み取れない。
という事はどのカメラワークも自然にオカルトチックなミスリードとして機能する事になるので子供ながらに性を感じた『インビジブル』やその他の透明人間とは違った魅力があったし、監督の前作『アップグレード』で見せた様なアクションもシームレスに描かれるので本国で好評だったのも頷ける。
どうやら『狼男』もリー・ワネル監督でライアン・ゴズリングに出演交渉中らしいのでそれはそれで楽しみ。
透明人間という設定が恐怖演出として使い勝手が良いってのもあるけど大学費を援助→よしっ!今日はパーティ!ってハッピーなやり取りを、恐らくずっと廊下の先から見ていたってカットは最高だったし、他にも屋根裏でのシークエンスとか上手いなって度々感心されられた。
まぁある一つのシークエンスでマスク取った時の顔が誰なのかは正直分かってましたよってかましも入れときますね。
透明になれるなれへんは置いといて、実質別れてる相手に遺産を相続させる執着の発想がそもそもキモいよなとか思ったり思わなかったり。その後もいちいちやる事が陰湿で超キモいよなとか思ったり思わなかったり。
このまま終わったらちゃんとしすぎてる気がして途中でちょっと心配になってたけど、いい意味で結末以降の奥行きとかは考えてなさそうな低予算ジャンル映画らしい終わらせ方とラストカットだったので期待通り。
言わずもがなやけど、作品のコンセプトを端的に表すタイトルバックは痺れた。