入れ墨と丁半を掛けた、何とも粋な演目名。
勘三郎と玉さまによる喜劇と悲劇は紙一重とも言える掛け合い、泣かせる怒涛の展開は、いつしか第三者では無く、当事者なひとりとして応援したくなる絶妙な芝居力。
入れ墨の場面では思わずうるっとしてしまった。
静かで冷たい空気が伝わる場で黙々と彫る訳だが、ふたりの所作、表情は思い出すだけで胸が熱くなる。
そして、大詰で登場するにざ様が、やくざの親分ながら格好良すぎる。
勘三郎に被せるように「笑わねぇ!」と言う場面では、思わずドキッとしてしまった。
やっぱり夜が舞台の演目は特に好き。