みおこし

T2 トレインスポッティングのみおこしのレビュー・感想・評価

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
4.1
早速続編鑑賞!評判がすごく良かったので、かなり期待して観たら本当にその期待を軽く超えてきてびっくり(笑)。
完全なる続編というか、むしろ前編と後編に渡る二部構成がようやく完結したという印象。なので、前作に無理やり繋げたという印象とかは全くなく、20年ぶりの新作だというのに違和感を持たず観られました。
冒頭から勢いよくグーーーって一気に引き込んで最後は観客ごと爆発させるあのジェットコースター感。変わらないなぁ、ダニー・ボイル(笑)。

前作のあのエンディングの後、レントンが街に戻ってくるところから物語は始まるのですが、20年間もの月日が経って何があったのか、4人それぞれの物語の伏線が回収され、最終的に4人の運命が再び交差していきます。
ネタバレも何ももちろん4人は再会するのですが、その再会に至るまでの流れが何ともドラマチックで、揃った時には思わず映画館で「うおぉ...」って声が出ました(笑)。普通の映画なら何となく自然に4人が揃うんだろうな、ってところをかなり時間をかけて意外な形で揃えちゃう辺りがまた監督の手腕が光っててカッコいい。

ヤクを吸うシーンは格段に減りました!いや、4人が完全に断ったかは別として(笑)。
でもそれ以上に素面でも十分ヤヴァイことしてるので、嘘でしょ!な展開は相変わらず多々あります(笑)。
追いかけっこもたくさんするし、ポッケに手を突っ込んでエジンバラの街やあの草原をぶらぶらするシーンももちろんあるし、良い意味で「イカれてたけど楽しかったよな〜」と昔を懐古するおじさま4人組がいじらしい。

前作では本当に救いようのないクズっぷりに共感なんて出来なかったけれど、本作はいい歳になった4人それぞれに対して共感ができました。
なんで彼らは定職にも就かずヤク漬けの日々を過ごさなきゃいけなかったのか、その背景は簡単な言葉ではまとめられないです。本作は結構シビアな側面もあって前作は若気の至りだったのかなぁ、なんて。でも「若かったからな」なんて正当化できないくらいのことは実際やらかしては来たから、そんな過去に対するそれぞれの負い目もありつつ。圧倒的に深い内容でした。
特にスパッド。あのスパッドが!!あのお馬鹿キャラ炸裂のスパッドが!!本作でのあの展開には思わず目頭が熱くなりました。ファンの方はお楽しみに。

俳優陣もほぼ全員当時のキャストが勢揃い、それだけで胸熱。どのタイミングで誰が出てくるかワクワクワクしながら最後まで観られました!
やはりイギリスを代表する豪華な役者さんだけあって、自然とそれぞれのキャラのこの20年間の葛藤や変化が滲み出る渋み。高級レストランのフルコースを頂いてる気分になりました。まさに珠玉の一本。内容は全然フルコースじゃないけど!!(笑)

個人的にはカトリックとプロテスタントにまつわる某シーンと、スパッドとベグビーの某シーンがツボでした。劇場で大笑いしてしまった。
再復活の意味あり、20年後にやる意味あり、の最高の一本!前作より実は好きです!!大好き、トレインスポッティング!
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