乳酸菌

T2 トレインスポッティングの乳酸菌のレビュー・感想・評価

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
4.1
ほぼ、劇中の彼らと同世代の人達には何らかのシンパシーを感じる、20年前の冒頭のあのテンポのいいシーンから始まり、ラストもニヤリとさせられる、前作はそんな感じでしたが、何と言うか……「やっぱり何も変わってねーじゃん!」「現実きびしー!」と、ある意味嫌な(良い意味で)リアリティのある作品でした。

劇中、昔のレコードを取り出し、プレーヤーに掛けて、例の曲を聴こうとするが、ふと思い止まる「やっぱり昔には戻れないんだよなぁ」って空気感が何ともビターな味わいで。

主役を取り巻く彼ら、何処か吹っ切れていない日常を過ごし、20年前と同じドラックやって惰性で生きているのが、当方としては痛くて痛くて、心にグサグサ刺さってくる思い当たる節が無きにしも非ずでして。

現在のイギリスの社会経済文化風俗の状況が、今の日本と重なる部分が多々あり、余計に彼らと現実の自分と重ね合わせてしまう「やっぱり無理!」と変に共感してしまうのが、イカンイカン、これじゃダメね、この映画を反面教師にして、明日から毎日ランニングだ!と前向きに考えようとすればするほど「でもなぁ……」と現実の厳しさからの逃避行動を起こさせてしまう感じ。

R-15+ですが、もっと若い人に観てもらって、こんな大人になっちゃダメだぞ!と、でも、現実社会厳しいけどね、だから今学業を頑張ろう!と言った啓蒙作品って言ったら堅苦しい、まぁ、それはジョークで。
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