セッセエリボー

T2 トレインスポッティングのセッセエリボーのレビュー・感想・評価

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
4.8
20年。20年かぁ…。1才だったおれが22になるまでにスコットランドは観光地化され、かつてのドラッグアディクトはもっと組織的で根の深い中毒にとって代わられているというのに、この四人は20年前の中毒をひきずりまくって相変わらずドン底を生きている。素晴しいじゃないか。1作目の時代を知らないため「違う」という感じを拭えなかった自分にとっては、これこそがドンピシャで俺の知ってる世界だし、40過ぎの彼らにすっかり感情移入もできるってもんだ。歳月は彼らと彼らをとりまく世界からあらゆるものを奪ったが、それでも彼らは変わらないことを選んだんだと、あの最高のラストシーンを見て痛感した。
あらゆる中毒に溺れる人生を性懲りも無くグイグイ選ばせようとしてくる現代を、生きぬくための映画。