小枝

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルの小枝のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

私の中でミステリーとトレジャーハントって同じ引き出しに入ってて、謎解きの瞬間が気持ちいいというラベルが貼ってある。殺人事件において1番手っ取り早い解決方法って「死人に犯人を聞くこと」なんですよね。それができないから探偵が活躍する物語になる。トレジャーハントも一緒で、直接本人に聞けないから悠久の時代に想いを馳せるんじゃないのか。今作はかなり禁忌を犯していると思う。アルキメデスにアルキメデスの時代で会っちゃうのはズルい。

トレジャーハント系で時間旅行の展開を見ないのは、やったら興が削がれるからで、耕してない畑があるわけじゃないぞ!と思ったし、じゃあ時間旅行からどうやって戻るのかという課題もパワーで解決していてあまり興奮するものではなかった。でも、インディーだけが(うおおおお!かっけえええ!)となってる画はかなり面白かった。

私はあんまり『インディー・ジョーンズ』シリーズに思い入れのある訳ではないけれど、それでも、インディーが「ここに残る」と言ったシーンの哀愁の出し方は流石ハリソンフォードで、彼のこれまでの冒険と、現実に残してきたもの、ここで終わるやり切れない葛藤などが入り混じった名演技だった。それにあのシーンはヘレナの感情の移動も綺麗で、(ちょっと冗談やめてよ笑)から(は?何言ってるの?!帰るよ!)に移行する流れはめっちゃ見応えあった。

マッツが無茶苦茶な目に遭う映画でもあって、こんな不憫なマッツ『ドクター・ストレンジ』以来だ…ヴィランなマッツ、結構好き。
小枝

小枝