子どもの頃から公務員になるのが夢だった男が人件費削減のためのリストラの対象となったことから巻き起こる騒動を描いたコメディ。自虐的なギャグ連発、多少のことじゃへこたれず、自分たちの振る舞いに悪びれる様子がまったくない、根っからの陽気さ。イタリアならではの空気感、社会的な背景を垣間見ることができる。
退職させようとさまざまな手を使ってカッコを追い込んでくる女性の上司に対して、持ち前のポジティブ思考とずる賢さで、なにがなんでも公務員の職にしがみつこうとするケッコの姿がおもしろおかしかった。イタリアとノルウェーでの価値観や生活の違いや、ノルウェーに抱く劣等感（まったく気にしてなさそうな感じだが笑）、自虐的なギャグが興味深かった。異動させられた先のノルウェーで恋に落ちた女性のこれまでの人生がめちゃくちゃすごくて、戸惑いながらも、彼女とのノルウェーでの生活のなかでケッコが「これが先進的な振る舞いだ」と一気に変化していく様子に笑った。ケッコの憎めないキャラクターがよかった。
ただ時々、それよくないんじゃない？というような、人種差別的、女性蔑視的なあまりよろしくないギャグがあったのは残念。
