岡香里

愚行録の岡香里のレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
4.0
人間の本能的に求めているような作品なのかもしれない。
表の部分ばかりがとりだたされて、憧れたり羨んだりするけれど、それは本当に思うほど美しいのか?
見たままのものはあるのかと考えさせられる。
ただ、表面が美しいだけに汚い面が見えてしまうその人な視点に立つと、また違う世界や苦悩があるのだと思う。

被虐待家庭で育った主人公の妹に焦点が当てられることで隠れていたけれど、主人公もまた虐待被害者。衝動性や二面性を持つことはおかしいことではないけれど、人柄からは疑えない。
何とも暗く、苦しいながらも人間の欲や汚さが潔くて、心地よくも感じる不思議な映画だった。
岡香里

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