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愚行録のmkomadoriのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
4.0
愚行録の愚行って、そういう意味だったのか。

最後のバスのシーンでゆっくりと移りゆく乗客の面々が、すべて愚かに見えてしまう効果。

記者が被害者の過去の交友関係を掘り下げて取材していく中で、そこらへんにいそうなごくごくふつうの人たちのかつての愚行が少しずつ明かされていく過程がおもしろかった。

大学での階級社会とかはなんかリアリティに欠けていた気がするけど、もしかしたらほんとにあるのかもしれない。問題はそこじゃなくて、誰もが、この映画に出てくる登場人物たちみたいに、若気の至りや生まれ育った境遇のせいで愚かになり平気で人を傷つけてしまうことは全然起こりうる人間社会なんだと思う。もしかしたら過去に自分にも身に覚えがあるかもしれない愚かな行為を、この映画を見て思い出す人が多ければいい。
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