大切なものを守るために、ただ懸命にひたすら働く男たち。
ひと昔前の日本のお父さん達はみんな寡黙で、一体何のために必死に働くのか、何と闘っているのか、何を楽しみに生きているんだろう、などと考えた事がありました。
この映画を観ている間もそんなことを考え、この男たちが笑顔を見せる時は来るのだろうか?という思いでラストまできました。
人には他人に見せない過去、苦しみや秘密を背負って生きている人がたくさんいると思う。
いつの間にか大人になり、家庭を持ったりして少年時代を振り返る事もなく今を生きる。
この物語では、ある事件をきっかけに元少年たちが再会し、眠らせていた過去が蘇えり、それぞれ歩んでいた人生が一瞬止まる。
今の支えとなる周りの人間と、かつて愛情を注いでくれた、かけがえのない人と再び寄り添うことができた時、硬く縛られていた紐がようやく解ける。
そんな人々の表情や姿を見てたくさん涙しました。
久々に観た日本映画、岡田さんや小栗さんも渋みが増して役者に磨きがかかっていました。
心にじんわりくる映画でした。