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彼らが本気で編むときは、のyuuのレビュー・感想・評価

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
4.2
こういう邦画とても大好き。
優しくて、温かくて、少しやり切れなくて、悲しくて。
邦画特有のこの辛気臭さが嫌な人がいるかもしれませんが、素晴らしい映画だと感じた。

この社会にはたくさんの矛盾や生きづらさが存在していることを改めて感じた。
心が女性なのに男性の身体で生まれてしまった人が女性として生きるにはたくさんの偏見に毎日毎日耐え忍ばなくてはならない。
子供を持つ母親でも、そうしたくても必ずしも子供の愛し方が分かるわけではない。
母親にあまり構ってもらえず、ネグレクトのような扱いを受けていても、それでも、母親が好きで母親と暮らしたい。
母親のことを大事に思っていても、ボケてしまった母親と共に生活をすることは煩わしく、施設に預けられたときとてもホッとしてしまう。
など、人生は一筋縄ではいかない。
誰かが悪いとかではなくて、誰の責任でもない。
やり切れなささ、生きづらさを感じながら、耐えながら、みんな生きていかなくてはならない。
それが生きるということだし、だからと言って不幸ということではない。
みんなが他人に対してもう少しずつ優しくなれば報われるのではないか。
主人公のリンコを見て感じた。

他人に優しく、強く、生きよう。
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