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aftersun/アフターサンのyuuのネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

穏やかに少し悲しい、でも楽しい時間がコラージュ的に描かれていて、なんとも切ない気持ちにさせられた。
プールでのシーンが多いせいもあるが、その曖昧さと夏の白昼夢的な情景に、水の中に揺蕩うような感覚がした。

境界線上の2人の感情は容易には推察出来ない。

自分は父になったばかりなので、特に、カラムの感情を追っていた。
父としての責務、子供への愛情、でも、まだ若くて自分の夢や好きなものへの興味も尽きなくて、どこか責任感を感じながら生きていて、葛藤が渦巻いている。
ソフィーに暴漢から逃れる方法を教え込んだり、なんでも話して欲しいと寄り添うシーンは親である責任は精一杯果たそうとしているように見えるが、深夜にソフィーを外に置き去りにしてしまって探しに行くも最終的には先に寝てしまうシーンは無責任に感じてしまう。
人によっては批判されてしまうような行動だし、客観的に見てそれは十分に妥当だと思うが、僕には到底批判することはできない。
カラムが精一杯葛藤しながら、責任を果たそうとして、でも果たせず力尽きてしまう姿は、今の自分の人生を全力で生きているように見えるし、すごく純粋で人間的だから。
誰もが共感する普遍性があると思う。

同じA24関連ということで、父と娘の物語という意味では、the whaleと比較してしまう。
対照的な部分が多々あり、この点でもthe whale含めて見返したい。
何度か見返して、追記していきたい。
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