yuu

怪物のyuuのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「怪物だーれだ」の遊びが核心的なメタファー。
自分では自分の正体は分からない。自分がどんな偏見を持っていて、どんな正義のもとに行動しているのかを知ることは難しい。
他者からの客観的な視点や自分を深く内省することが自分の理解を可能にする。

親の視点では先生や学校はとてつもない悪者のように描かれ、先生や子供からの客観的な視点では先生は悪くない。先生の視点では、学校のために、冤罪を認め保護者に謝罪しろという校長は悪魔のような存在だが、校長は子供のことを想い、学校を守ろうとするが故だった。
誰もが自らの正義のもと行動し、おかしいところがあるし、正しいと思える部分もある。

正義はそれぞれの過去のトラウマの裏返しのようなもので、過去を乗り越えて生き続けるにはその正義にしか縋るしかない。
自分の正義を他人に押し付けてはいけないけど、そうでもしないと苦しい。
結局、トラウマ含めたありのままの自分を受け入れることが必要なのだろう。
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