ある種、正雄（＝坊ちゃん）のセックスシーンにしても、それは彼の人格を否定する為のモノなのだから、今作の濡れ場とゆーのは全て「レイプ」の類いだと言っても好いのかも知れないね。序盤のソレのド肝を抜く陰惨さに始まり、終始非常なネガティブさが漂い続ける（あまりロマンの無い）ロマンポルノでありますね。アメリカン・ニューシネマ的、と言っても好いかも知れないすね。
一方で、陰鬱な展開を吹き飛ばすような終盤の暴力・感情の爆発や、そんな中に突如勃発する乱痴気騒ぎの纏う頽廃極まった空気感など、ただネガティブだ・悲惨だという作品では決してなくて、展開運びにせよ雰囲気運びにせよ徐々に適切にレベルを上げてゆくorバリエーションを変じてゆくサマは映画として単純に中々素晴らしかった。シンプルな様で実にしっかり中身のあるポルノだと言えるでしょう。ある種、傑作だと思います。
前述どおりレイプシーンのオンパレードなのでポルノ的な「価値」は少し微妙（少なくとも、人に依る）かとも思うが、一箇所、件の正雄と（おそらく）商売女のセックスシーンは、女のネットリした誘惑の仕方が実に淫靡で好かったですね。筑波恵美という女優さんらしいのですが、他に特に出演作が無いのが少し惜しいです（訳アリですかね）。主役の水島美奈子ちゃんもその清純なキュートさが役柄に合ってましたし、岡本麗も終盤は気分出してました。意外と女優さんの出来も上々な部類の作品ではないでしょーかね。
