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ドラゴン・タトゥーの女のKUBOのレビュー・感想・評価

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)
4.0
「蜘蛛の巣を払う女」鑑賞前にハリウッド版の前作を復習。

ダニエル・クレイグが主演だからってこともないだろうが、いかにもオープニングでございって感じの「007」風なスタイリッシュな映像と音楽で始まる。

大富豪から頼まれた未解決の殺人事件の調査。次第に浮かび上がってくる少女連続猟奇殺人事件の裏に見え隠れする聖書との不気味な符合。基本は本格っぽいミステリーだけど、本作の魅力はリズベットの圧倒的な魅力だ。

主人公は雑誌記者のミカエル(ダニエル・クレイグ)と天才ハッカーのリズベット(ルーニー・マーラ)のバディもの。このパンクなハッカー、リズベットが個性的でカッコいい! 精神病患者のレッテルを貼られ、様々な虐待を受けても、やられたらやり返すリズベットがかっこいいんだよな。

ただ、原作と比べて、リズベットの過去については極力サラッと描いている。原作では、殺人事件の調査と同じくらいの割合でリズベットの過去と現在の生活にページを割いていたから。

同様に、ミカエルも原作では、あっちの女も、こっちの女も、モーションかけられたらみーんな犯っちゃうプレイボーイ。原作は半分はセックス描写じゃないかと思うほどで、「スウェーデンってこんなにセックスにおおらかなんだ」って感心したし(^^)。

そういう意味ではスウェーデン版のミカエル・ニクヴィストよりはダニエル・クレイグの方が合ってるかな? でも原作の印象はもっと優男のプレイボーイなんだよな。

「ミレニアム」シリーズは元々3部作。スウェーデン版ではノオミ・ラパス主演で「ドラゴン・タトゥーの女」「火と戯れる女」「眠れる女と狂卓の騎士」と作られたが、ハリウッドでは「1」のみ作られただけだった。「ミレニアム」の新作が続編として作られると聞いて、ずいぶん時間が経ってから「2」を作るんだな〜と思ったら、なんと「4」だったんでびっくり! だって「ミレニアム」の原作者スティーグ・ラーソンって「1」〜「3」まで書いたところで死んでるから「4」は前3作の設定を元に書かれた別の作家による作品なんだよね。それにスウェーデン版では作られた「2」と「3」で語られたリズベットの過去をすっ飛ばして「4」の予告編ではリズベットに姉妹がいた!みたいなこと言ってるし、ちゃんと繋がるのかなって心配ではある。

リズベット役もルーニー・マーラからクレア・フォイに変わるようだし、どうなるんでしょう? でも、見るけどね。

はい、だいぶ脱線しましたが、原作発刊当時は「このミス」第1位にも選ばれたミステリーの名作。だいぶ駆け足で謎解きしますから、目を皿のようにして画面上の情報を追っていかないと置いていかれる感じもしますが、重厚な上にスタイリッシュな作品だと改めて実感しました。

さて、今週末公開の「蜘蛛の巣を払う女」も楽しみだな〜。
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