ギルヲ

エル ELLEのギルヲのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
4.0
大量殺人犯を父に持つという境遇でありながらゲーム会社の社長にまでなった主人公ミシェルがソシオパス気味なのは納得がいく。苦悩に捕われていたら死ぬしかないから苦悩すら生きる糧にしてしまうというか、無常観とはまた違う冷め方をしているあまり見たことの無い女性像になっていると思いました。
若さにすがりつく母、夫を寝取った相手とあっさり和解するアンナ、夫の行状を見抜いていたようなのに祈ることしかしなかったレベッカ等、脇役の女性の描き方もなかなか。
肌の色の違う孫のためのチャイルドシートや墓地で談笑するラストシーンにミシェルを読み解く鍵がある気もするけどそこまで考える頭は私には無い模様(笑)
ヴァーホーベン監督は女性を描くのに手一杯だったようで男連中はどいつもこいつもペラッペラですが、ただの変態祭りに終わらせなかったのは良かったかなと思います。
あ、これを忘れてはいけない。イザベル・ユペールが見事でした。
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