美しきイザベル・ユペール主演のブラックコメディ。
冒頭、レイプシーンから始まる。
彼女のフラッシュバックの度に繰り返されるシーン。
ミシェルは泣いたりわめいたりしない。
冷静に状況を思い返す。
犯人が去った後は、淡々と掃除をし風呂に入り、デリバリーをオーダーする。
何事もなくダメ息子と夕食をとり、翌日は自分の会社に出社する。
いつものように厳しくダメ出しをし、30年来の親友の旦那と情事を重ねる。
異常なほど冷静なのは、彼女の過去にあった。
警察なんてあてにならない、毅然とした態度でいる彼女からは、オーラさえ見えてしまいそう。
レイプされた事で人生は終わらない。
着々と復讐劇が始まる。
防犯スプレー、斧を買う。周囲の状況、知人の観察を始める。
追い詰める犯人に突き付ける終焉。
彼女の行動や考え方には共感できなさそうだけど、ただただ強さを見せつけられる。
きっとこの歪んだ世界に正解はない。
出てくる人物、全員狂ってた、
監督の描く強い女性像は
監督が憧れる女性像であって
ドMなんでしょうかね。。
なかなか感想が伝え辛い映画ですが
こうして物議を醸すことで
一般的なモラル、人の善悪に対する考えに論争を起こさせたい、そんな意図が感じられれば。
どこに正義をおくか、そこが問題。