ケロケロみん

あなた、その川を渡らないでのケロケロみんのレビュー・感想・評価

4.5
帰りに寄った八百屋で「風邪ひいた?」と聞かれましたが違うんです。映画館で泣いたなごりで鼻がズビズビだったのです。普段どんなに悲しいことがあっても涙が出ない特異体質なのに韓国の映画には弱いです。
70年以上寄り添って生きてきた最愛の夫が弱って行くんですよ。泣きながら看病するんですよ。夫がもうじき死ぬという事実を悲しみながら受け入れて、少しずつ夫の旅立ちの準備をするのですよ。大泣きです。泣き疲れて1日だるかった。
このドキュメンタリーの主人公の老夫婦は以前テレビ番組で「お揃いの韓服を着て仲良く街で買い物をする老夫婦」と紹介され、それをみた監督が2人を取材して愛情とは何かを探りたいと撮り始めたそうです。テレビに出たことでカメラになれてはいるけれど、カメラを意識しないで撮れるようできるだけ夫婦の目線の先に居ないように心掛けたとのこと。おばあさんがやたらと話しすぎる気がするけれどいつものことだそうです。
この映画で印象強いのは老人会のバスツアー。行きのバスの中老人たちは通路で踊り狂う。ライトが点滅し、激しいビートのカラオケが流れ全員歌う。現地に着くと杖ついてヨボヨボしているのになんなんでしょうあのエネルギー。身体中で感情を表現するのがうまいんでしょうね、韓国映画を見るたびに韓国が好きになります。