独特のリズム感のある作品で、最後まで疾走して飽きのこないストーリーは楽しめた。
オクジャという生物をベースに進むストーリーから、現代のヴィーガンへのアンチテーゼや、食物として作成される種であるにもかかわらず主人公とオクジャの種族を超えた関係性は、ペットを飼っている誰しもが涙する作品ともいえる。
また、ラストのオクジャに隠された秘密にはかなり心打たれる。
人間の用途として作成されたオクジャは言い換えるならロボットだ。
ロボットと友情が芽生えたらどうなるのか。
そんな近い未来の暗示にもなる作品かもしれないと思った。
ちなみに私は小学生のとき、住んでいたマンションの駐車場にペットを飼っていた。
大きな石を退けるとダンゴムシがいて、名前をつけていた。
シゲル、シゲムシ、シゲシだったかな。
友達が遊びにきたときにはその三匹を自慢げに紹介したものだ。
一丁前に、「この手の本数が多いのがシゲルで、丸まらないのがシゲムシ、お腹が膨らんでるのがシゲシだ」なんて言ってた。
あのときの友達は、私を変人扱いしないでくれた。
私は今思うと恥ずかしい。ダンゴムシは全て同じ手の数で、丸まらないのはダンゴムシではないし、お腹が膨らんでいるのはメス。
大きな石をどけたときに適当につまみあげた三匹が該当しただけ。
気持ち悪い。