冒頭の掴みからもう百点。
最初の記者会見のシーン、絵本みたいにキュートなプレゼンがもう既に目に楽しいのだが、記者の、“それで、そのコンペの開催はいつなの？”、に対しての女社長の“10年後ですけど！”
通常はここで、いやだいぶ先なんかい！ていうツッコミを、記者のリアクションを通して表しそうなものを、そこを敢えてミランド社長のパキパキにひきつった笑顔のアップを映す！しかも剥き出しの前歯には歯科矯正、ていうセンスが流石で掴みはばっちり。
また中盤のソウルでの、ミランド社の廊下でポシェットをキュッ！と締めてから始まる、割と長い尺のチェイスシーン。ひたすら駆け回るミジャをさらにカメラが追っかけてくワチャワチャ感が超楽しいのだが、カット自体は目まぐるしく切り替ってくのに、バックで流れてる音楽がラテン系の曲調で繋がってるので、まるでワンカット長回しのような緊張感の持続も同時に体感できて、ここは何回も巻き戻して観てるけど全然飽きない。
そしてコメディ演出としてスローモーションにアニーズソング挿れてくるあたり、同じ年に公開のキングスマンと全く被ってたりして、つくづく分かってる人のセンスやなーと思ったり。
あと、ティルダスウィントン、ポールダノなど、脇役陣のがやたらクセ強い中で、ジェイクギレンホールのイッチャッテル具合は、この人絶対、監督の発注よりも過剰に応えてもうてるやろ感が最高。
ステージ上で披露する衝撃のキモい動きで、この度ベストオブギレンホール更新しました。
