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オクジャ okjaのfujiKのレビュー・感想・評価

オクジャ okja(2017年製作の映画)
4.2
ミジャのオクジャを呼ぶ声が耳に残る。オクジャの眼は彼女が人間に語る言葉だ。

資本主義社会の大量生産、大量消費の姿とソウルやニューヨークの大都会。ミジャやオクジャの暮らす山奥の自然のコントラスト。
実在する動物愛護テロリストALFの人間目線の、コミカルな行動。ミランド社のまるでブロイラーのようなスーパーピッグ育成や屠殺。私たちが現在行っている人間勝手な様々な行いがまるで残酷な漫画のように見えてくる。映像もキャラクターもどこか自然ではなく、漫画的。
屠殺から逃れてトボトボと歩くオクジャとミジャが一匹の子豚を救って帰る姿は、白黒のチャップリン映画の後ろ姿みたい。悲しいけれど、でもちょっと優しくて救いがある。
ソウルの坂の多い街をオクジャを追って走るミジャは、サンフランシスコの坂を疾走する“ブリット”だ。

資本主義経済の代表、お金と英語、使い方によっては大切なものを救える。ミジャがやったように。
韓国映画もとても上手く二つを使って、世界の枠を取り除く作品を作っている。

オクジャの耳元にミジャは何を語りかけているのだろう。また山の生活に戻ったオクジャがじっとミジャに眼で伝えていたことは?子ども?
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